30代ビジネスパーソンがデータサイエンスを学ぶべき理由

30代ビジネスパーソン

近年、AI(機械学習・深層学習)やデータサイエンスなどの分野が注目を浴び、世の中における期待が高まっております。

今回は、大学生や20代社会人ではなく、30代ビジネスパーソンがデータサイエンスを学ぶべき理由について紹介していきます。

30代ビジネスパーソンがデータサイエンスを学ぶべき理由

マス・マーケティングの時代からセグメント・マーケティングの時代へ

現在の社会において、個人消費者は世界中の企業の様々なサービスを(たとえば、Netflixのような動画配信サービスやclubhouseのような新たな流行を作っているサービスまで)インターネットを介して利用することが出来ます。

同様に世界中のメーカーが提供するプロダクトも(例えば、スマートフォンなどの最先端デバイスからタオルのような日用品まで)消費者は自らの嗜好に合わせ選び容易に購入することが出来るようになりました。

このように消費者の選択肢が増え、消費者の趣味嗜好の多様化が進んだことでマス・マーケティングの時代は終焉を迎え、個人または消費者属性毎の趣味嗜好に応じてマーケティングを行うセグメント・マーケティングの時代が到来しました。

この時代の変化により、企業の戦略は、単に規模を追い求め、多くの顧客ニーズを取り込むサービスやプロダクトを重要視する戦略から、細分化された顧客のニーズを適切に汲み取り、それに合致するサービスやプロダクトを開発すること重要視、あるいは、そのニーズに合致するだろう顧客に、そのサービスやプロダクトを適切に知ってもらい選んでもらうことを重要視する戦略に変化しております。

このような戦略の変化を支えるためには、多様化した顧客のニーズを適切に読み解くことが重要となり、そのための手段としてデータ分析に基づく意思決定を行うことが必要となっております。

 

30代ビジネスパーソンにはビジネス力のベースがある

上場企業は、企業価値を最大化することを目的とし、それを実現するための手段として、販路拡大、新規事業立ち上げ、または研究開発などの活動を行っています。

そして、企業に属するビジネスパーソンは、新卒として企業に入社してから、この目的を果たすための活動に従事していくことになります。

20代前半は先輩や上司から仕事の仕方を教わりながら、与えられた仕事に対して期待されたアウトプットをしっかり出すことが求められます。

20代後半から徐々にチームをリードする役目を担いチームとしてのアウトプットを出すことを求められます。

そして、30代では実力に応じてプロジェクトを任されるようになり、担当したプロジェクトを成功に導くことが求められます。

 

このように、20代の仕事は教えてくれる人が(場合によっては直接助けてくれる人が)いる中で仕事に取り組むことに対して、30代ビジネスパーソンの仕事は自らの裁量(判断)がプロジェクトの成否に大きく影響してきます。

当然、30代ビジネスパーソンはプロジェクトを成功させるために、プロジェクトにおいて課題が発生した場合の対応力が求められ、それに付随する形で上司や関連部署、場合によっては社外関係者やボードメンバーとの「調整」「折衝」などの能力が求められます。

そして、それら求められる能力はあらゆるビジネス(事業)を進めるためには欠かせないビジネススキルと言え、学生や20代社会人ではなかなか備えることが出来ないスキルと言えます。

 

 

データサイエンス力を磨くことでビジネスパソーンとしての価値を高める

前述の通り30代ビジネスパーソンは、それまでの経験を通じて、ビジネス上の課題を発見あるいは設定する能力(課題設定力)を備えていると言えます。

また、ビジネスを推し進めるための施策を計画立案し、社内外の関係者への説明や折衝を行い、それらを推し進めることのできる実行力(立案・実行力)も備えていると言えます。

一方で、ビジネス上の解決すべき課題が複雑化している現代においては、この「課題設定」と「立案・実行」の2フェーズでビジネスを成功させることは難しくなっていると言えます。

そして、この2つのフェーズを繋ぐためのフェーズとして「仮説構築力」「データ収集・分析力」の2つのフェーズの重要性が高まっています。

ここでの「仮説構築力」とは、課題を解くための仮説を立て、立てた仮説を検証するために必要な情報の種類や用いる統計学的なアプローチ手法を設計できるスキルを指し、「データ収集・分析力」とは、検証すべき仮説に必要となるデータを集め分析可能な形に整え、適切な手法で分析を行うことのできるスキルを指します。

そして、これら「仮説構築力」や「データ収集・分析力」は、データサイエンス力を磨くことより高めることが出来るスキルであり、これらスキルを高めることは現代のビジネスパーソンとしての価値を高めることに繋がると言えます。

 

 

まとめ

今回は30代ビジネスパーソンがデータサイエンスを学ぶべき理由についてお伝えしました。

社会人としての経験とビジネススキルを持つ30代ビジネスパーソンがデータサイエンスを磨くことは、ビジネス上の解決すべき課題が複雑化している現代において、その重要性が高まっている「仮説構築力」と「データ収集・分析力」を備えることとなり、その結果ビジネスパーソンとしての価値を高めることに繋がります。

 

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パラレルキャリア研究会創設メンバー 岩手県出身。東北大学工学部卒、同大学院工学研究科修了。半導体メーカーに入社後、エンジニアとして半導体製品の企画・開発に従事。30代後半に軸ずらし転職でキャリアをシフト。本業の傍ら独学でPython&統計学を学習中。1児のパパ。趣味は日本酒、ロードバイク。中小企業診断士、SAKE DIPLOMA。