使わないのは勿体ない!参考書の「索引」を使って効率的に勉強しよう

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資格取得、語学学習などの自習に欠かせないの参考書。しかしながら、巻末の「索引」ページを活用しているという方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。中には「一度も開いたことがない」という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私の経験から申し上げてそれは非常に勿体ないです!私はこれまで、大学受験を経て社会人になってからも、語学の習得や資格取得などを目的に勉強を重ね、その中で自分にとって効率的と思われるさまざまな勉強法を身につけてきました。本記事ではその中でもおすすめの「索引」を使った勉強法をお伝えします。

参考書の「索引」を使った勉強法とは

索引の画像です

それでは、さっそくですが具体的な方法をお伝えします。参考書を何周かした後で「ベースとなる知識がある程度身についてきたな」と思ったら、索引を開き、並んでいる単語や用語を上から順に目で追いながら、頭の中でその単語や用語の意味を思い出してください。これを最初から最後までやり抜きます。

「え?それだけ?」と思うかもしれませんが、これだけです。しかしながらこれが効果絶大で、これをすることで知識が曖昧な箇所を的確にあぶり出すことができるのです。通常、索引ページの単語はあいうえお順やABC順に並んでおり、単語の並びに「文脈」といったものは存在しません。本によっては単元や章をまたいで単語が並んでいることもあるでしょう。これが復習にはぴったりで、部門を横断して行ったり来たりすることにより、いつもとは違う状況で記憶の引き出しを開け閉めすることになり、理解度が明らかになるのです。

英単語の場合で言えば、単語を見てその意味をぱっと答えられるなら次に進んでよし、「えーと、これは…」と考え込むようなら該当ページに立ち返って知識の上塗りをしてから次の単語に進んでください。これは数学の定理や、専門用語などでも一緒です。

頭の中を敢えてかき混ぜることの大切さ

私はこの作業を「頭の中をかきまぜる」作業と呼んでいます。我々の脳は良くも悪くも慣れてしまいます。勉強に関しても、スタート直後は新鮮な気持ちで知識を取り入れられるものが、時間が経過し知識を吸収していくに連れ「慣れ」が出てきます。これがやっかいで、既知の事柄については参考書を呼んでいても「はいはい、これね」と一連の流れとして捉え、細部の曖昧さを見逃してしまうのです。

これに関して、ちょっと皆さんにやっていただきたいことがあります。

①1〜10までの数字を、英語で1から順に数えてください。

どれくらい時間がかかりましたか?「ワントゥースリーフォー…」と一息で言えたという方もいらっしゃるのではないかと思います。では、次。

②1〜10までの数字を、英語で「10から逆に」数えてください。

どうでしょうか。先程の1から10までを順に数えるのと比べてやや時間がかかったのではないでしょうか。テン、ナイン、エイトまでは言えても、セブン…シックス…と、徐々に数字と英語を1対1で対応させながら数えたのではないかと思います。これは、脳が「慣れてない」状況に置かれたことから起こるものです。数字では簡単すぎたという方は、英語で1月から12月までを正順、逆順で言ってみてください。

これと同じことが勉強中にも起こります。通常、私達は参考書で勉強をする際に最初から順を追って進めていきます。参考書の中の特定の章だけを勉強する場合でも、若いページから順に、ある程度の流れを持って勉強することでしょう。これを繰り返すうちに、脳が慣れてしまうのです。

私自身も1冊の参考書を繰り返し勉強するという方法をとっていますが、2週目、3週目になってくると、「あーはいはい、この流れね」と、脳が先回りをしてしまうんですね。これにより、細部をよくわかっていないのにわかった気になってしまうといったことが起こるのです。そのため、「英語で数字を逆からカウントする」ような、新鮮な知識の引き出し方をする機会を自ら作り「頭の中の情報をかき混ぜてから再整理」する必要があるのです。

部屋の片付けと同様に、一旦収納した情報を取り出しやすく整理する

ここまでのお話は部屋の片付けと似ています。ひとまず頭に知識を詰め込んだ状態は、押し入れに物をひとまずバッと詰め込んだ状態です。それなりにスペースに物は収納されているけれども雑然としている状態であり、物を取り出しやすいかと言われれば、それはまた別の話です。

しかし、雑然としている押し入れも一度全ての中身を引っ張り出して改めて整理することによって、中のものが取り出しやすくなります。整理した結果、元々あった場所と同じ場所に収納される物もあるでしょうが、それでもいいのです。一度取り出して再整理をするというプロセスが重要なのです。

勉強で得た知識についても同様で、「ひとまず頭に入ったな」と思ったら、意図的にランダムな方法で引っ張り出してみることで知識が整理されます。英単語の場合はABC順に並びますから、似ている単語が連続して出てきたりして混乱しやすく、理解度が一発で分かります。

索引を活用すれば、暗記項目の多い科目はわざわざ単語帳を作る手間もなくなり一石二鳥です。1度引っかかった場合は鉛筆、2回目は黄色のマーカー、3回目は赤ペンなど色を変えて記録を残し、赤色になったものを抽出して単語カードを作るようにすればいいのです。こうすることで、何度も引っかかる場合には「まだこの単語で引っかかってしまった」と、それ自体が記憶を強化するトリガーになります。暗記カードを作る手間を考えたら、索引を利用するのは非常に効率的です。

索引を上手に使って効率的に勉強しよう

多くの参考書の巻末に付属している索引。上手に使えば非常に効率的に自身の知識の穴をあぶり出せるツールとなります。積極的に活用しているという方は少ないかもしれませんが、索引も含めて参考書です。どうせなら、1冊まるまる使い切る気持ちで臨んでみてはいかがでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

神奈川県出身。慶應義塾大学文学部卒業。地域情報誌や外資系Webメディアの編集者を経て、2015年にシンガポールに渡星。現地でビジネス系メディアの編集に携わる。その後ニュージーランド、ベトナムなどを転々としながら、フリーライターとしてモノづくり系メディア、旅行メディアを中心に執筆中。