データサイエンティストがデータエンジニアリング力だけでは価値が高まらない理由

一般社団法人データサイエンティスト協会によると、データサイエンティストが備えておくべきスキルとして、

  • ビジネス力
  • データサイエンス力
  • データエンジニアリング力

の3つが提唱されています。

本記事では、データサイエンティストに必要な3つスキルセットを、YouTuberに必要なスキルセットと対比したうえで、データサイエンティストがデータエンジニアリング力だけを備えていても価値が高まらない理由について書いていきます。

 

データサイエンティストがデータエンジニアリング力だけでは価値が高まらない理由

 

YouTuberにとっての「データエンジニアリング力」「データサイエンス力」「ビジネス力」とは

はじめに、データサイエンティストに必要な3つスキルセットをYouTuberに必要となるスキルセットと対比していきます。

 

 

データサイエンティストにとっての「データエンジニアリング力」は、YouTuberにとっての「動画編集ツール力」と対比することが出来るかもしれません。

ご存じの通り、YouTubeはオンライン動画共有プラットフォームであり、動画コンテンツなくてはYouTuberは成立しません。

そして、YouTubeに投稿されている動画の多くは動画編集された動画で構成されています。

つまり、YouTubeに動画コンテンツを投稿するためには、動画編集を行うことは標準的な手法であり、Adobe Premiere ProやFinal Cut Proなどの動画編集ツールで動画を加工する「動画編集ツール力」が必要となります。

 

次に、データサイエンティストにとっての「データサイエンス力」は、YouTuberにとっての「デザイン力」と対比することが出来るかもしれません。

Pythonなどのプログラミング言語にはデータを分析するためのライブラリが豊富にあるため、データ分析者は統計学の詳細な知識がなくてもデータ分析を行うことが出来るかもしれません。

同様に、YouTuberはAdobe Premiere Proなどの動画編集ツールを使用すれば、デザインに関する素養がなくても、見るに堪える動画やサムネイルを作成することが出来るかもしれません。

しかし、データサイエンティストが用意されたライブラリだけで価値の高い分析が出来ないのと同じように、YouTuberが、視聴者の目を引くサムネイルを作る、視聴していてストレスを感じにくい動画を作る、あるいはコンテンツのメッセージをより明確に伝えられる動画を作るためには、デザイン的に適切なフォントや配色を用いて作られたテロップや、適切なイラストや効果音などの挿入を行える「デザイン力」が必要となります。

 

そして、データサイエンティストにとっての「ビジネス力」は、YouTuberにとっての「コンテンツ力」と対比することが出来るかもしれません。

データサイエンティストが課題設定を行うが如く、YouTuberは自身のチャネルで何を発信するかのテーマ設定が必要となります。

また、データサイエンティストが課題解決に対する立案&実行するが如く、YouTuberは自身のチャンネルに投稿するコンテンツを考え、動画撮影を行い新しい動画を投稿し続ける実行力が必要となります。

 

データエンジニアリング力だけでは価値が高まらない理由 ~YouTuberスキルとの対比~

さて、これからデータサイエンティストになろうと考えている人が、「データエンジニアリング力」のスキルにのみコミットしそのスキルを磨いていった場合、その人は良いデータサイエンティストになれると言えるでしょうか?

答えはNOです。

YouTuberの対比スキルで考えてみるとその理由がイメージしやすくなります。

データエンジニアリング力」に対比されるスキルは「動画編集ツール力」でした。もし、これからYouTuberになろうと考えている人が「動画編集ツール力」のスキルのみを磨いたとして、その人は果たして人気のYouTuberになれるでしょうか?

やはり、多くの人はNOと考えるでしょう。

これからYouTuberになろうとしている人が、動画編集ツールをいくら使いこなせるようになったとしても、その動画コンテンツの質やチャンネルの軸がなければ、そのチャンネルの登録者数は伸びないことは容易に想像できます。

同じように、これからデータサイエンティストになろうと考えている人が、「データエンジニアリング力」のスキルのみを磨いていったとしても、ライブラリを用いた標準的な分析は出来るようになりますが、ライブラリを用いた標準的な分析だけであれば、他の人でも(場合によってはコンピュータによって)同じような結果を求めることは出来るため、その分析の価値は高くはなり得ません。

つまり、テクニカルなスキルである「動画編集ツール力」や「データエンジニアリング力」だけを磨いても、コンテンツの内容がより重要となるYouTubeとして成功することは難しいと言えます。

同様に、どのように課題設定を行うか?どういった分析アプローチを採るのか?独自の分析モデルを構築することは出来るのか?など、データサイエンティストには、多方面のスキルが求められることから、やはり、データエンジニアリングのスキルのみで成功することは難しいと言えます。

 

まとめ

今回の記事では、データサイエンティストに必要な3つスキルセットをYouTuberに必要なスキルセットと対比したうえで、データサイエンティストがデータエンジニアリング力だけ備えていても価値が高まらない理由について書いていきました。

テクニカルなスキルである「データエンジニアリング力」を磨くことで、ライブラリを活用した分析は行えるようにはなります。しかし、それだけではデータサイエンティストとしての付加価値は高まりません。

よって、ビジネスパーソンがデータサイエンティストの素養を身につけていく場合、「データエンジニアリング力」だけに偏ることなく、「ビジネス力」「データサイエンス力」の力も同時に伸ばしていくことが大事なのではないでしょうか。

 

じゃあ。

 

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パラレルキャリア研究会創設メンバー 岩手県出身。東北大学工学部卒、同大学院工学研究科修了。半導体メーカーに入社後、エンジニアとして半導体製品の企画・開発に従事。30代後半に軸ずらし転職でキャリアをシフト。本業の傍ら独学でPython&統計学を学習中。1児のパパ。趣味は日本酒、ロードバイク。中小企業診断士、SAKE DIPLOMA。