別記事「私のデータサイエンティスト検定合格の軌跡 ~ 何時間勉強した?どうやって対策したの?」では、著者のデータサイエンティスト検定リテラシーレベル(以下DS検定)の合格の軌跡を紹介しました。
また、著者にとって、今回のDS検定が初めての受験でもあり、試験前に知っておくべき注意点がいくつかあることも感じました。そして、資格試験において、予備知識がある状態で試験を受ける場合と、そうではない場合とでは、試験当日のパフォーマンスに差が生じると言えます。
ということで、今回の記事は、
- DS検定をはじめて受ける
- CBT方式の受験自体もはじめて受ける
- DS検定本番の注意点を知りたい
という人に向けて、「DS検定の試験本番に備え知っておくべきこと5つ」と題して、DS検定本番に備えて知っておくべきこと5選を紹介していきます。
DS検定の試験本番に備え知っておくべきこと5つ
① DS検定はCBT方式で実施
DS検定はCBT方式で試験が行われております。
このCBTとは、Computer Based Testingの頭文字をとった略称であり、全国にあるCBT会場で、コンピューターを使って受験するスタイルの受験方式となります。
また、CBT方式の場合は、PBT方式(ペーパー方式)のように指定されたある特定の日に試験を受けるスタイルではなく、通年あるいは定められた期間のなかで受験者が都合の良い日時を選んで試験を受ける形となります。
DS検定の場合も、2021年以降、年2回(秋・春)の開催が計画されており、2022年12月時点で、すでに3回開催されております。
- 第1回:2021年9月11日(土) ~ 9月30日(木)
- 第2回:2022年6月10日(金) ~ 6月30日(木)
- 第3回:2022年11月15日(火) ~ 12月5日(月)
CBT方式は別記事「統計検定2級はCBT方式に統一へ。CBT方式とは?」でも紹介していますので、より詳細な内容はこちらの記事もご参照ください。
② 試験開始時間 ≠ 申し込み時受験日時
著者がそうだったのですが、試験申し込み時に選択した試験開始時刻に対して、実際の試験開始時刻が早まる場合があります。
具体的には、試験当日に著者は、申し込みをした試験開始時刻に余裕をもって試験会場に到着しました。そして、試験直前にドタバタしないよう、先に受付の手続きを済ませ、その後に試験会場にある待合室で最後の復習を行おうと考えておりました。
しかし実際の当日の流れは、受付の手続きを済ませたらその流れで試験開始となりました。
申し込み時の試験時刻より30分以上も前倒しされた形での試験開始です。
これは、CBT会場の待合室の人員キャパが決して大きくないこともあり、受付した順にどんどん試験を受けてもらうオペレーションとしていることが考えられます。
また、この流れは、著者が受験した会場での事例であり、全てのCBT会場が全て同じオペレーションかどうかはわかりません。
しかし、このように到着後その流れで試験開始となる会場があることは事実となりますので、受験者としては注意が必要と言えます。
ただし、受付後に「お手洗いを先に済ませたい」と伝えることはできますし、「予定時間通りに試験を受けたい」と申し出ることは出来ますので、試験会場でイレギュラーなことが起きた場合でも慌てないことが吉です。
③ 筆記用具&電卓は持ち込み不可
持ち込めるのは会場側が用意したボールペンとA4用紙1枚
カンニング防止の観点で試験会場に持ち込めるものは制限されます。
持ち込めるもの
- 身分証明書(免許書など)
- 試験会場側から渡されるA4用紙1枚
- 試験会場側から渡されるボールペン
- 試験会場側から渡される試験に関する説明&注意事項を記した用紙
- ロッカーの鍵
- マスク
持ち込めないもの
- スマートフォン
- 時計(デジタル・アナログ式問わず)
- 持参の筆記具
- カバンなど
つまり同試験では、持参した筆記用具を使用することはできず、渡させたボールペンとA4用紙1枚で対応する必要があります。
DS検定において、著者の場合は、知識を問う問題が多く、計算問題などペンを動かして解く問題は少なかったことから、結果的にA4用紙1枚の1/4も使いませんでしたが、いちおう注意した方がいい点となります。
なお、試験で使用したA4用紙は持ち帰ることはできません。
また、CBT試験では、会場側が用意したパソコン&マウスを操作することになるため、普段使用しているマウスとの操作心地は異なるものとなると言えます。そのため、マウスにこだわりのある受験者は、試験を始めてから慣れるまでの間は、少し気持ち悪い感覚になるかもしれません。
いずれにしても、マウスを含めたパソコンの操作性に関しては、特に対策は不要かと思いますが、当日慌てることのないようにだけ認識はしておいた方がいいかもしれません。
電卓はパソコン内に備わっている機能を使用
また、DS検定で問われる問題のいくつかは、計算が必要な問題があります。
たとえば、黒本の数理統計の範囲では「分散」の値を求める設問がありますが、答えを求めようとした場合には、電卓が必要となります。
その一方で、DS検定のCBT試験では、電卓の持ち込みが不可となります。
では、どうなるかと言うと、CBT試験ではパソコンの中の電卓の機能を使用することになります。
具体的には、Windowsに標準機能として備わっている電卓アプリではなく、試験用ブラウザの機能として備わっている電卓機能を使用することになります。
著者が受けた際には、電卓機能で解く必要のある問題は出題されなかったため、電卓を使うことはありませんでしたが、このことは予め認識しておく必要があります。
④ 解けない問題は後回しにすることは可能
CBT試験では、パソコン上のブラウザ1ページに1問が用意されています。
そして、問題を解いていく度に「次の問題」などのボタンを教えて、画面を切り替えて解き進めていくスタイルの試験となります。
そのため、試験を進める中で、もし解けない問題&答えに迷う問題がある場合、後で見直す必要が出てくると言えます。
このように試験問題を後で見直したいという行為に対して、CBT試験では「後で見直す」というチェックボタンが備わっているため、その機能を活用することで、後で見直したい問題に容易に戻ることができます。
そのため、たとえば、問題の答えを2択まで絞りこむことができたが、最終的な答えを決めきれない、などのシチュエーションの場合に、「後で見直す」チェックを入れることで、全ての問題を解き終えた後で、その問題に戻り、時間をつかってじっくり考えなおしたうえで、その問題を解くことができるようになります。
この「後で見直す」機能は、CBT試験ならではの便利な機能ではありますが、注意も必要です。
それは、何でもかんでも「後で見直す」チェックをつけてしまうと、後で本当に見直したい問題を見失ってしまう可能性が出てくるということです。
そのため、見直す問題に優先度をつけたい場合は、A4用紙にメモするなどの併せ技を活用するなど、工夫が必要となるので、予め本機能をどのように使うかの基準は決めておいた方が良いと言えます。
ということで、ここまで4つの注意点を紹介していましたが、ここまでの内容は、いずれも、CBT試験と関係する内容でした。
最後の5つ目の注意点は、DS検定の試験内容そのものに関する注意点となります。
⑤ 試験本番は公式本・黒本とは異なる出題パターンあり
別記事「DS検定は公式本&黒本でどの程度のスコアを採れば合格できるか?」で紹介した通り、著者は公式本および黒本を用いて同試験の対策&仕上げを行いました。
そして、最終的には安定的に9割以上の正答率を採れるだけの力を備えることができました。
しかし、試験本番では見たことのない問題(知識)あるいは、自信を持って解くことができなかった問題がいくつもありました。
具体的に、著者の場合では、
- 全く解けなかった(=選択肢する絞れなかった)問題:5問
- 学んだことの延長・あるいはDS検定の学習内容以外の知識で選択肢を絞れた問題:21問
つまり、試験の問題数90問に対して、約3割弱が公式本&黒本の学習内容だけでは、自信を持って解けなかった問題ということになります。
仮にこれら問題を全て外していたとすると、公式本&黒本の内容が完璧だったとしても、正答率は7割となり、DS検定の合格ラインに達せない結果になると言えます。
本試験の規約で、試験問題の出題内容をインターネットを通じて外部に公表することは、禁じられているため、具体的な内容は紹介はできませんが、試験対策としては、公式本・黒本の問題&正答のみを丸暗記するのではなく、出題される範囲(専門用語や関連書籍)に対してアンテナを張り理解度を深めることが有効な対策なのかもしれません。
まとめ
今回の記事では「DS検定の試験本番に備え知っておくべきこと5つ」というテーマで、著者が考える、DS検定本番に備えて知っておくべきこと5選を紹介していきました。
そして、DS検定本番に備え知っておくべき5選は次の通りでした。
- DS検定はCBT方式で実施
- 試験開始時間 ≠ 申し込み時受験日時
- 筆記用具&電卓は持ち込み不可
- 解けない問題は後回しにすることは可能
- 試験本番は公式本・黒本とは異なる出題パターンあり
資格試験において、予備知識がある状態で試験を受ける場合と、そうではない場合とでは、試験当日のパフォーマンスに差が生じることが想像されます。そういった中で、本記事の内容がこれからDS検定にチャレンジしようと考えている人にとって、有意義な情報となれば幸いです。
一方で、DS検定は、試験がスタートしてから実施回数が浅い試験であることから、今後試験の傾向が変わることは十分想定されますので、いずれにしても情報収集は欠かさず、試験に臨んでください。
じゃあ。
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