別記事「私のデータサイエンティスト検定合格の軌跡 ~ 何時間勉強した?どうやって対策したの?」では、著者のデータサイエンティスト検定リテラシーレベル(以下DS検定)の合格の軌跡を紹介しました。
著者にとって今回のDS検定の受験は、統計検定2級を取得した後にチャレンジした資格試験であったため、学習済みの知識が多かった印象でした。
ということで、今回の記事は、
- 統計検定2級は勉強したけど、どの程度の知識をDS検定で活かせるかを知りたい
- 統計検定2級は勉強したけど、どの程度の知識をDS検定で新たに学べるかを知りたい
という人に向けて、「統計検定2級の知識でDS検定の出題範囲をどの程度カバーできるのか調べてみた」と題して、調べてみた内容を紹介していきます。
統計検定2級の知識でDS協会スキルチェックリストをどの程度カバーできるのか調べてみた

DS試験の出題範囲
はじめにDS検定の基本的な出題範囲を紹介します。
DS検定の出題範囲は、大きく下記2つから構成されます。
- データサイエンティスト協会(以下DS協会)が発行する「スキルチェックリスト」の中で★ひとつの項目
- 数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムより「数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム」のコア学習項目
そして、本記事では、統計検定2級の知識が、DS協会が発行するスキルチェックリストVer3の★ひとつの項目をいくつカバーできるか?という観点で調べていきます。
各スキルセット群における統計検定2級の知識の数
DS協会が発行するスキルチェックリストの中には、下記3つスキルセット群があります。
- ビジネス力
- データサイエンス力
- データエンジニアリング力
そのため、統計検定2級の知識でカバーできるDS検定の項目数をこのスキルセット群毎に調べていきます。
調べるにあたっては、技術評論社から出版される「最短突破データサイエンティスト検定
分類は「①出題範囲スキル項目数」「②統計検定2級の知識の数」「③統計検定2級の知識&ビジネスパーソンの常識の延長の知識の数」「④統計検定2級の範囲外の知識の数」の4つに、著者の独断で、分類していきます。
- の項目数は、データサイエンティスト協会が発行する「スキルチェックリスト(Ver3.0)」の中の★ひとつの項目の数と一致します。
- の項目数は、統計検定2級で学んだ知識で包含できると判断した項目数となります。
- の項目数は、統計検定2級では直接は扱わない内容であっても、その知識の延長やビジネスパーソンであれば備わっていると思われる教養の範囲で、十分理解できると思われると判断した項目数となります。ただ、本項目の分類にあたっては著者の主観が多分に入ります。
- の項目数は、統計検定2級では登場しない専門用語や知識が使われている項目数となります。
※ なお、ここでの分類の確からしさ一切保証しません。
1. ビジネス力
- 出題範囲スキル項目数:22個
- 統計検定2級の知識:1個(約5%)
- 統計検定2級の知識&ビジネスパーソの常識の延長の知識:13個(約59%)
- 統計検定2級の範囲外の知識:8個(約36%)
2. データサイエンス力
- 出題範囲スキル項目数:86個
- 統計検定2級の知識:31個(約36%)
- 統計検定2級の知識&ビジネスパーソンの常識の延長の知識:25個(約29%)
- 統計検定2級の範囲外の知識:30個(約35%)
3. データエンジニアリング力
- 出題範囲スキル項目数:39個
- 統計検定2級の知識:2個(約5%)
- 統計検定2級の知識&ビジネスパーソンの常識の延長の知識:0個(0%)
- 統計検定2級の範囲外の知識:37個(約95%)
この結果より、統計検定2級の知識で最もカバー可能なスキルセット群は「データサイエンス」で約36%ということがわかりました。
この数字を見ての著者の感想は、データサイエンスのスキルセット群で求められる知識は、統計検定2級の知識だけでは意外にも十分にカバーできない、でした。
一方で、統計検定2級の知識で最もカバーできないスキルセット群は「データエンジニアリング」で約95%ということがわかりました。
この結果をポジティブに捉えると、DS検定の学びを通して新たなことがたくさん吸収できるとも言えます。
統計検定2級の知識でDS検定の出題範囲の約23%がカバー可能
上記の各スキルセット毎に分類した結果をまとめると次のようになります。
- 出題範囲スキル項目数:147個
- 統計検定2級の知識:34個(約23%)
- 統計検定2級の知識&ビジネスパーソンの常識の延長の知識:38個(約26%)
- 統計検定2級の範囲外の知識:75個(約51%)
よって、統計検定2級の知識でカバー可能な項目数は約23%あることがわかりました。
そして、統計検定2級では学べなかった専門用語などの知識を学べる項目数は約51%もあることがわかりました。
統計検定2級合格者でも学びなしにはDS検定は合格できない
DS検定は正答率8割程度で合格する試験と言われています(公式には発表はされていない)。
さきほどの結果より、統計検定2級の知識でDS検定に持ち越せる知識は2割程度、延長の知識を併せて5割程度ということから、仮にそれら問題は全問正解できたとして、残りの5割の問題を4択の可能性に委ねた場合に期待できる正答率は6割にしか達しません。
そのため、統計検定2級合格者であっても、試験対策することなしにDS検定に合格することは難しいと言えそうです。
ただ、逆の捉え方をすれば、残り2割を埋められれば良いとも言えるので、少し学習すれば十分合格圏内を狙える試験と言うこともできるのかもしれません。
まとめ
今回の記事では「統計検定2級の知識でDS協会のスキルチェックリストをどの程度カバーできるのか調べてみた」というテーマで、調べてみた内容を紹介しました。
そして、調べて見た結果は次の通りでした。
- 統計検定2級の知識でカバー可能な項目数は約23%
- 統計検定2級の知識でカバーしていない項目数は約51%
- 統計検定2級の知識で最もカバー可能なスキルセット群は「データサイエンス」で約36%
- 統計検定2級の知識で最もカバーできないスキルセット群は「データエンジニアリング」で約95%
と、ここまで数字でごちゃごちゃと説明をしてきましたが、統計検定2級合格者にとって、DS検定は決してハードルの高くない資格試験と言えます。
そのため、統計検定2級は取得したけど、DS検定はまだチャレンジしていないという人は、DS検定にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
じゃあ。
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