別記事「日本酒好きなら知っている?SAKE DIPLOMAとは?」では、SAKE DIPLOMA試験の概要を紹介しました。
一方で、著者自身の体験談に触れるまでには至りませんでした。
ということで、今回の記事では、
- SAKE DIPLOMA試験を受けた理由に興味がある
- SAKE DIPLOMA試験の独学での学習方法を知りたい
という人に向けて、著者がSAKE DIPLOMAにチャレンジした理由や、合格までに行った学習方法を紹介します。
SAKE DIPLOMAをなぜ受けたのか?独学でどうやって対策をしたのか?
著者属性
はじめに、SAKE DIPLOMAの受験者層は様々な層で構成されている思われますが、その多くは飲食店・酒類販売業・ホテル従事者など、何らかの形で日本酒の提供に携わる層が多いと思われます。一方で、日本酒が好きで趣味の延長で取得されている層も一定数いると思われますが、その割合は公式に発表はされていません。
そして、著者の場合、日本酒の提供に関わる仕事に従事しているわけでありません。ましてや、お酒こそ好きですが、日本酒の特定名称(純米大吟醸など)の意味も正しく理解していない、いわゆる日本酒の教養を持ち合わせていない、普通のビジネスパーソンでした。
では、そんな著者が、なぜ日本酒に興味を持ち、SAKE DIPLOMAに調整しようと考えたのでしょうか?
SAKE DIPLOMAにチャレンジした理由
そんな著者がSAKE DIPLOMAに挑戦しようと考えた理由は、
- 本当に美味しいと思える日本酒に出会い、日本酒をもっと知りたくなった
- これまで飲み会でなんとなく飲んでいたお酒を、自らの嗜好と知識を基により楽しめる機会に変えたいと考えた
- 新しい学びを、ただの趣味として終わらせるのではなく、資格という形に残したかった
- 日本ソムリエ協会の会員の知人に、SAKE DIPLOMAの存在を教えてもらい、体系的に学べるいい機会だと感じた
- 勤め先企業名や職種以外のタグを増やしたいと考えた
- 中小企業診断士として、飲食店や酒蔵の人と会話する際の引き出し、あるいは名刺交換時のつかみが増えるかもしれないと考えた
- 企業人として、海外からのゲスト(出張者など)をもてなすとき、日本酒を紹介できることで、交流の幅が広がるかもしれないと考えた
などがあります。
このように理由を挙げるとたくさんありますが、最初の2つに挙げた理由がベースとなり、他の理由が後から付随してきた感じになります。
一方で、SAKE DIPLOMAを取得しても、年収が増えるだとか、希望する職種に就けるなどのメリットは一切ありません。
そのため、家族もいる中での貴重な個人の時間を、本資格のために時間を割くことは、費用対効果の面で考えれば悪手かもしれません。
しかし、ゲームのように楽しいことであれば何時間でも続けられるのと同じように、自らが興味を持ったことであれば楽しく勉強を続けられます。
そして、その学びのエネルギーを活用しない手はないと考え、このSAKE DIPLOMAにチャレンジすることを決めたわけです。
唎酒師じゃなく、なぜSAKE DIPLOMAを選んだのか?
資格をとるのであれば、唎酒師などの他の日本酒に関する資格があります。
では、なぜ唎酒師ではなく、SAKE DIPLOMAを選んだのか?という疑問(興味)も生じると思います。
敢えて理由を挙げるとすれば、
- 調べた限り、SAKE DIPLOMAの方が難易度が高い
- 資格を取る代償として、高い受講料を支払うことに価値を感じない
- 日本ソムリエ協会が認定する資格であり、資格の歴史は浅いが、信頼度はあると考えた
という感じです。
著者は唎酒師を持っているわけではないので、思い込みのような部分もあるかもしれませんが、まぁ、そんな感じです。
では、次からは話しを変えて、著者のSAKE DIPLOMA合格までの道のり&学習法を紹介します。
著者はSAKE DIPLOMA試験の対策講座などには通っていないため、ここからご紹介するのは、独学での学習法となります。
1次試験対策:
著者はSAKE DIPLOMAの1次試験を2回コースで申し込みました。
理由は、あらゆる試験において、最も有効な試験対策は、過去問・模試などの試験本番に近い状況で一度受験しておくことだと考えているためです。
そして、上記に加え、著者にとってCBT試験は初めて経験する受験方式でもあったため、CBT試験も一度練習しておきたい、と思ったというのもあります。
まぁ、1回目は模試のような位置づけということになります。
ということで、1回目のCBT試験は、教本を2周ほど読んだ程度で8月中旬に受け、見事に不合格。
CBT試験の操作自体は難しいものではなく、試験時間も不足することはなかったのですが、不合格は圧倒的な知識不足が要因ということを把握できました。
そこから、9月上旬に受けることになる2回目のCBT試験までの約3週間の間で、
- 公式教本を熟読する&暗記メモを作成し整理する
- インターネットの対策サイト(サイト名:SAKE DIPLOMA 試験対策)
- YouTubeの動画(日本酒を作る工程など)
など対策を行い、2回目のCBT試験で無事パスすることができました。
一番の合格のポイントは、上記の試験対策サイトに登録されている問題を、ほぼ全問解けるようになるまで、繰り返し問題を解き続けたことです。
教本を読んで理解&覚えたつもりでも、実際に問題を解いてみると覚えていないものです。そのため、アウトプット形式でひたすら解きまくることが、最も効率的な試験対策となったわけです。
1夜漬けならぬ、3週間漬けで合格したような形です。
2次試験対策:
2次試験は、1次試験とは異なりテイスティング問題と論述問題で構成されています。
テイスティングのみであれば、試験対策も楽しくできるのですが、知識が問われる論述問題もあるため、暗記中心の1次試験を突破しても、気が抜けません。
2次試験 – テイスティング
著者が独学で行ったテイスティング対策としては、
- 宅飲みや日本酒原価酒蔵さんでいろいろな日本酒を飲む
- いまでや(GINZA SIX)の対策試飲コースをやってみる
- 田崎真也氏の書籍「新しい日本酒の味わい方」を読む
です。
2020年はCovid-19による飲食店の救済策として、一時的に飲食店での日本酒の小売販売が可能となりました。
その制度を活用し、著者は日本酒原価酒蔵で100ml瓶で提供される日本酒を繰り返し購入しました。
自宅でブラインドテイスティングを行う場合、720ml瓶では多くの銘柄を購入&消費するのは困難ですが、100ml瓶であれば多くの銘柄を試すことができるため、独学で対策を行っていた著者にとっては、活用しない手はない千載一遇の制度だったように思います(*)。
(*)なお、本「期限付酒類小売業免許」制度は、2020年12月で終了しています
本トレーニングの成果もあってか、最終的には、特定名称酒の判別や飲料に関する設問問題は、全問正解を導くことができました。
2次試験 - 論述
著者が行った2次試験論述対策としては、
- 公式教本を読む
- 試験論述テーマ一覧(おさけcafe petit * petit 清水流美氏 監修)を購入し、やってみる
でした。
1次試験は、問題数が多くかつ選択式ということもあり、公式教本で扱う内容を、広く中程度理解すれば、合格ラインに近づくことが出来ます。
一方で、2次試験の論述問題は別記事「日本酒好きなら知っている?SAKE DIPLOMAとは?」でも紹介している通り、設問数が2問または3問のみであり、ピンポイントのテーマについて問われ、自分の言葉で回答を論述する必要があります。
そのため、理想的には、公式教本で扱う全ての範囲を、漏れなく深く理解&暗記することが求められますが、全てを完璧に暗記することは現実的ではないため、ある程度的を絞って対策をする必要があります。
そのため、
- 過去に出題された問題および近いジャンルの問題は学習の優先度を下げる
- 200文字以上の文章で回答が可能なテーマに絞る
など、ある程度、覚えるべき内容を絞るなどの工夫が必要となります。
そして、ここからは著者の独断の考えとなりますが、論述問題の採点方式は公表されておりませんが、おそらくは加点方式であることを前提にして考えると
- テーマに関連する単語を多く書くこと
- 一定の文字数以上の文章を書くこと
- 文章として成立していること
などを意識して論述することができれば、ある程度の加点が期待できるのではないかと考えおります。
言い換えると、
- 正確な情報にこだわりすぎない
- 間違いを恐れて何も書かないよりは、間違ってもいいので書いてみる(書けない漢字はひらがなにする、数字が曖昧な場合は約〇〇kgなどと表現する)
- 美しい文章・文体である必要はない
ということにもなります。
なお、著者の場合、2次試験は、受験初年度は不合格で、2回目の2年目で合格することができました。
そして、2年目は、1次試験で覚えた知識も薄れている状態の中で、さらに1年目のときよりも2次試験の対策に掛けた学習時間が圧倒的に少ない中で、上記ポイントを意識し学習&本番に臨んだ結果、合格をすることができました。
テイスティング試験で得点の上乗せができた可能性もありますが、論述問題も限られた知識の中でしっかり書くことができたことが、合格に繋がったのだと思います。
まとめ
今回の記事では、著者がSAKE DIPLOMAに挑戦した理由と、独学で行った学習法について紹介しました。
SAKE DIPLOMAは、統計検定やTOEICように、多くのビジネスパーソンにとって価値の出る資格&学習ではありません。そのため、本記事をここまで読んでいただいた方に、SAKE DIPLOMAを特に勧めるつもりはありません。
しかし、ここで伝えたいことは、現在の仕事に忙殺されても新たな学びの手を止めてしまってはならないということです。もし、自学習の習慣が身についていないというのであれば、自身が興味のある分野に対して、資格試験というゴールを設定して、学びへの一歩を踏み出してみるのも一つのアプローチ法と言えます。回り道をしてもいいということです。
著者も所属している「パラレルキャリア研究会」では、30代~50代ビジネスパーソンがパラレルキャリアの開発を続けていくことを目的とし活動を行っております。
そして、「パラレルキャリア研究会」には「統計学」「データエンジニアリング」「コンサルティング」などのデータサイエンスのテーマを軸として、業種・業界・年齢ともバラバラの個々メンバーが、それぞれ学びたいテーマを持ち寄り、「もくもく会」や「定例会」などを通じて学びの活動を行っております。
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