【合格体験記】Pythonデータ分析試験に合格するまでの学習ルートと学習法

アイキャッチ画像:Python3エンジニア認定データ分析試験に合格するまでの学習法

Python3エンジニア認定データ分析試験(以降、Pythonデータ分析試験と略称)に合格しましたので、これまでの学習履歴と学習法を記録しておきたいと思います。

受験の動機

データサイエンスを学ぼうとすると、PythonやR言語を使ってデータ分析をする基礎スキルを習得するプロセスが出てきます。この場合、市販されている書籍を購入するか、Udemyのような動画学習サイトで学習するなどが考えられますが、初学者だとどの程度まで学習する必要があるのかという疑問が湧き上がります。

私も学習の目標(目安)として何か適切な試験を目標にした方が学習しやすいと思い、Pythonデータ分析試験の存在を知り、受験することにしました。Pythonデータ分析試験は、統計検定やG検定、データサイエンティスト検定に比べると、それほど知名度がある試験ではないため、データサイエンスの初学者は同試験の存在を知らない可能性が高いように思います。

バックグラウンドと学習時間

最初に、データサイエンスに関連する私の知識レベルと本試験に費やした総学習時間と合格するまでの学習ルートを記したいと思います。Pythonデータ分析試験は1回目で合格できました。

関連資格の保持

同試験を受験するまでに、私は統計検定2級→データサイエンティスト検定リテラシーレベル→G検定の順で学習しそれぞれの試験に合格していました。また、中小企業診断士という資格を所持しているため、1次試験科目である経営情報システム(情報処理技術の知識を含む)についてもある程度理解していました。ただ、私立文系でしたので、プログラミングや大学数学を学ぶような機会はなかったと記憶しています。

総学習時間(公式テキスト&模擬試験)

Pythonデータ分析試験に合格するまでの総学習時間は、合計で50〜60時間です。内訳は、公式テキストである「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書第2版」を2回読むのに20時間程度、その後3社の模擬試験を解きながら、わからないところを調べるのに30〜40時間を使った感じです。

学習ルート

学習ルートは、公式テキストを最初に読書感覚で、「どのテーマは比較的理解していて」、「どのテーマが初見であるか(学習が必要か)」を選別しながら読み進めました。そして、2回目は、模擬試験を解きながら間違えた(わからなかった)問題に関連する公式テキストの該当部分を読みました。同試験は基本的に公式テキストに記載された内容が出題されるため、他の関連試験と比べて学習は進めやすかったです。

公式テキストを1回読み終えた後は、ネットで無料(PRIME STUDYとExamAPP)または1週間の無料期間あり(ディープロ)で利用できるネットの模擬試験を利用しました。PRIME STUDY(第1回のみ)」→「ExamApp(初級→中級→上級)」→「ディープロ」の順番で取り組みました。書籍を単に読むより、模擬試験を解きながら学習する方が記憶の定着と苦手分野の抽出という点で圧倒的に効率的でしたので、早い段階で模擬試験を学習の中心にすることをお勧めします。

学習教材

上でお伝えした学習ルートで使用した各教材をどのように活用すると学習効率が高まるか共有したいと思います。

Pythonによるあたらしいデー分析の教科書第2版(公式テキスト)

Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書 第2版

本試験はPythonによるあたらしいデータ分析の教科書第2版の内容から出題されるため、この内容を押さえておけば確実に合格点である70%以上はクリアできます。ただし、Pythonを学校や仕事などで使用したことがない受験生にとっては、読み進めても内容が頭に残らないと思いますので、1回目(最初)は気楽に読書感覚で読み進めて、よくわからないところにマークなどをして記録を残すことをお勧めします。

内容が全然わからない部分があれば、ChatGPTを使って該当の内容について質問してみるとよいと思います。チャット形式なのでわからない内容はさらに質問する、具体例を挙げてもらう、小学生でもわかるように説明してくださいなどと指示(プロンプトエンジニアリング)するなどが効果的です。

本テキストの2回目は、模擬試験を解きながら間違えた問題を中心に必要な知識を公式テキストで確認することが有効だと思います。その際、1回目に残しておいたよくわからない部分に付けた記しが役立つと思います。各模擬試験には解説が付いているのでそれを読みながら公式テキストも確認すると1回目ではわからなかった内容が少しづつ理解できるようになります。私が利用した3社の模擬試験は同じテーマが繰り返し出題されるため、解説を読んで公式テキストを読み返すことで、覚えようとしなくても知識が記憶に残るようになります。また、記憶に残るようになるまで模擬試験を繰り返すことが本試験受験の目安になります。

模擬試験(1):PRIME STUDY(第1回のみ2回転)

Pythonデータ分析試験を受験する人の多くは、PRIME STUDYを利用すると思います。こちらの模試は全部で3回分(各回40問×3回)あり、合計120問あります。ただし、第1回のみ動画での解説がありますので、私は第1回のみ利用しました。第2回と第3回の模擬試験は制限時間60分で問題を解き正解と不正解がメールで送られてくる仕様です。問題と解説を見比べながら知識を深めることに不向きなため、2回目と3回目の模擬試験は利用せず、第1回模擬試験を2回解き、動画の解説を視聴しました。PRIME STUDYの模擬試験は、本試験よりずっと難しいです。あとで知ることになるのですが、実は本試験はもっと簡単です。

模擬試験(2):ExamApp(初級、中級、上級を各1回転)

こちらの模擬試験は、一問一答で各40問あり初級から始めれば、初学者の人でも取り組みやすい内容だと思います。PRIME STUDYの第1回に比べると、解説の内容は少ないですがわからないところはChatGPTを活用することで十分理解を深めることができます。初級が終わったら、中級と上級の順番で解くのがお勧めです。初級が易しいと感じた人は中級から始めてもよいと思います。Pythonデータ分析試験の難易度は、この模擬試験の初級から中級ぐらいのレベルだと思いますので、初級と中級を中心に知識を押さえておくことをお勧めします。上級は、公式テキスト外の内容もあるため、本試験では問われない内容もあります。もちろん、Pythonを学ぶという意味では理解しておくとよいでしょう。

模擬試験(3):ディープロ(4回転)

こちらの模擬試験は、無料だと問題の解答と評価は得られますが、解説などは読めないため無料版だと学習効果は低いと思います。有料版(7日間の無料期間があり)だと、問題の解説が読め、間違えた問題を集中的に解き直すことができますので、学習効果が高まります。こちらの模擬試験も間違えた問題を中心に公式テキストを読み返すことをお勧めします。読み返すことで覚えようとしなくても知識が記憶に定着していきます。ディープロの模擬試験は、ストックになる問題から任意に40問が選ばれて出題されるため、本試験に近い出題形式になっています。模擬試験を4回転ぐらいするとストックされている問題の半分以上の問題を解くことになります。こちらの模擬試験で70%以上の正答率が安定的に出せるようになったら、本試験の受験をお勧めします。

本試験受験の所感と勉強プロセスで得られたレベル感

本試験の内容は、秘密保持契約を受験時に締結することになるため、詳細は語れませんが上にあげた模擬試験より難易度は低いと感じました。模擬試験では、正答率7割から8割ぐらいで本試験を受験したのですが、本試験では正答率は丁度90%でした。参考までに私の試験結果レポートを載せておきます。Pythonエンジニア認定試験試験結果レポート

本試験は、電卓やメモ用紙などは使えないため電卓が必要な計算は出題されないと思って大丈夫です。試験時間は60分ありますが、30分もあれば十分解き終わると思います。迷った問題や解らなかった問題は、残りの時間で見直しできます。後で解き直したい問題は、CBT試験で「チェックマークを付ける」機能がありますので、チェックマークを付けておきましょう。

最後に、Pythonデータ分析試験の学習プロセスで得られるレベル感は、Pythonでデータ分析をする際にどのような手順で分析をすすめるのか、その手順とPythonでの操作方法が理解できる程度です。Pythonのコードを見ないで記述できるようにはなりませんが、コードの内容を読んで理解したり、調べることができるようにはなると思います。この試験をきっかけに、Pythonを仕事や大学で使い始めるには適している試験だと思います。

これからPythonデータ分析試験を受験する方の参考になれば嬉しいです。

私たちは20代から50代のビジネスパーソンに向けて、パラレルキャリア研究会というコミュニティーを運営しています。当研究会はデータサイエンスについても互いに学び合う場を提供しています。

私達と一緒に学んでみたいという意欲のある方、データサイエンスの自学自習に少しでも興味がある方は、お気軽にこちらからお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。