書籍「統計学が最強の学問である」は統計検定2級の知識でどれだけカバーできるのか?

読書する子猫

 

2013年にダイヤモンド社より出版された、西内啓氏の書籍「統計学が最強の学問である」は、ビジネス書大賞2014の大賞を受賞したこともあり、統計学に興味がある人ない人に関わらず、ビジネスパーソンであれば手にとった方も多い一冊なのではないでしょうか。

著者自身も、データサイエンス・統計学に興味を持つ前に同書を一度手に取る機会がありました。

その当時は、これまで持ち合わせていなかった統計学の知見を得ることができたことから、おもしろい&読んでよかったと思える書籍だったように覚えています。

一方、2021年に統計検定2級を学んだ著者は「同書に書いてある内容で理解できない内容はどの程度あるのか?」という疑問に答えを出すべく、同書を改めて手に取りました。

統計学が最強の学問である

 

ということで、今回の記事では

・書籍「統計学が最強の学問である」は読んだことがあるが、統計学は学んだことはない。

・統計検定2級を勉強しているが、書籍「統計学が最強の学問である」はまだ読んだことがない。

・過去に書籍「統計学が最強の学問である」を読み、さらに統計検定2級も学んだ。

 

という人に向けて、著書「統計学が最強の学問である」で登場する専門用語について、統計検定2級で学べる知識と、統計検定2級の範囲では学べない知識のそれぞれを紹介します。

 

書籍「統計学が最強の学問である」は統計検定2級の知識でどれだけカバーできるのか?

数学の勉強をするイメージ

 

統計検定2級で扱う知識

 

書籍「統計学が最強の学問である」に登場する専門用語の中で、統計検定2級の範囲に含まれる用語は次の通りです。

  • サンプリング調査
  • ランダム化比較実験
  • 単回帰分析・重回帰分析
  • 標準誤差
  • 信頼区間
  • p値
  • t検定
  • カイ二乗分析
  • 分散分析
  • 相関係数
  • ベイズ統計

 

同書は、統計学を学んでいる人を読者として想定して書かれた本ではありませんが、後半の章に進むにつれて統計学の専門的内容が増えてきます。

特に、第5章「ランダム化ができなかったらどうするか?」では、数式・グラフ・数値表など数学的内容が多く含まれるため、前知識がなく読んだ場合には、流し読みになってしまうのではないでしょうか。

しかし、これらの内容は統計検定2級で学ぶ内容であることから、統計学を学べば、その内容を自然と理解できるようになると言えます。まさに統計学のリテラシーレベルがあがっていることを実感できる瞬間です。

 

 

しかし、統計検定2級を学んだとしても、同書に書かれているすべての専門用語を理解できるわけではありません。

次に、統計検定2級の範囲には含まれてない内容について紹介します。

 

統計検定2級では扱われない知識

 

書籍「統計学が最強の学問である」に登場する専門用語の中で、統計検定2級の範囲には含まれない専門用語は次の通りです。

  • シンプソンのパラドックス
  • 交互作用
  • 傾向スコア
  • ロジスティック回帰
  • バスケット分析
  • 因子分析
  • パス分析
  • クラスタ分析
  • 形態素解析
  • サポートベクタマシン
  • 系統的レビュー・メタアナリシス

 

整理してみると、著者の想像以上に統計検定2級の範囲には含まれていない内容があることがわかりました。

 

たとえば、「シンプソンのパラドックス」は、著者も同書籍で初めて知った言葉です。ただし、その言葉の持つ意味自体は難しいことはなく、書籍で書いてある説明を読めば、当たり前に理解できる考え方です。これは、データを扱うビジネスパーソンであれば、教養として知っておきたい内容と言えます。

また、「交互作用」「傾向スコア」「ロジスティック回帰」「因子分析」「クラスタ分析」「サポートベクタマシン」は、統計検定2級の範囲には含まれていませんが、別記事「私がPythonの学習で最初に購入した書籍とおすすめポイント2つ」で紹介した書籍では扱っている内容となります。つまりは、統計検定2級の学習範囲には含まれていませんが、データサイエンス学習者であれば、抑えておきたい知識と言えるかもしれません。

 

 

なお、本ブログの別記事で、「クラスタ分析」「形態素解析」について紹介している記事もあるので、興味がある方はこちらの記事もご参考ください。「データ分析で使われるクラスタリングとは?」SNSや口コミデータの分析で使える形態素解析について

 

まとめ

 

今回の記事では、書籍「統計学が最強の学問である」で登場する専門用語について、統計検定2級で学べる知識と、統計検定2級の範囲では学べない知識のそれぞれを紹介しました。

結果は、書籍で登場する半分程度の専門用語は、統計検定2級の学習範囲で学ぶ内容であることがわかりました。

逆に言えば、統計検定2級の学習範囲でもカバーされていない内容が多くあり、まだまだ学ぶべき内容があることに気付かされました。

 

最後にまとめると、同書は統計検定2級で扱う統計学の知識を読み物として分かりやすくビジネスパーソンに伝える役割を果たしている書籍であることから、

 

・統計学を学んだことはないが、書籍「統計学が最強の学問である」を読み、その内容をもっと理解をしたいという人には、統計検定2級を学ぶことをお勧め出来ると言え。

・統計検定2級を勉強しているが、書籍「統計学が最強の学問である」はまだ読んだことがないという人には、学んでいる内容が読み物としても復習することがでいるため、同書を一度読むことをお勧め出来ると言え。

・過去に書籍「統計学が最強の学問である」を読み、さらに統計検定2級も学んだという人でも、学んだことのおさらい&理解が出来ていない知識を認識するという観点で、同書を再び手にとることをお勧め出来ると言えます。

 

じゃあ

 

関連記事

 

私がPythonの学習で最初に購入した書籍とおすすめポイント2つ

データ分析で使われるクラスタリングとは?

SNSや口コミデータの分析で使える形態素解析について

 

 

 

[article-banner-2]

ABOUTこの記事をかいた人

パラレルキャリア研究会創設メンバー 岩手県出身。東北大学工学部卒、同大学院工学研究科修了。半導体メーカーに入社後、エンジニアとして半導体製品の企画・開発に従事。30代後半に軸ずらし転職でキャリアをシフト。本業の傍ら独学でPython&統計学を学習中。1児のパパ。趣味は日本酒、ロードバイク。中小企業診断士、SAKE DIPLOMA。