プロライターが教えるライティングのコツ②「執筆編」

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ライターとして文章を書くことを生業にしている手前、色々な方から文章に関するお悩みが寄せられますが、その中でも「文章を書いている途中で迷子になってしまう」「時間をかけず文章を書けるようになりたい」というのは非常に多い相談事です。

その解決策のひとつとして、文章に取り掛かる前に「プロット」をきちんと作り込むべきという点については別記事プロライターが教えるライティングのコツ①「プロット編」でお話しました。今回はライティングの肝となる「執筆」のコツについてお伝えします。

現役ライターが考える執筆のコツ5つ

皆さんそれぞれにとっての心地よいやり方はあると思いますが、特に汎用性が高いと思われるコツを5つご紹介します。

1.プロットに沿って文章を書く

別記事「ライティングのコツ①プロットの大切さ」でお伝えした通り、文章を書く段階ではしっかりとしたプロットが出来上がっているはずです。あとは、その順番に沿って筆を進めるだけです。後にも詳しくお話しますが、新しいアイデアが湧いても寄り道してはいけません。初心者であればあるほど、プロットに沿った文章を書いていくことがコツです。

また、書き進めていく中でプロットの段階では単なる箇条書きだった文言も、よりキャッチーな小見出したる文言に変えていきましょう。

2.文章は一気に書き上げる

文章作成に取り掛かったら、とにかく一気に書き上げてしまいましょう。少し文章を書いては立ち戻り、細部を直すスタイルはおすすめしません。細部にこだわるあまり、全体の大きな流れを見失う可能性があるからです。例えば、彫刻家の方々も石の塊から像を掘り出す際に、いきなり細部に取り掛かったりはしませんよね。まずは大まかに石の形を整えることから始めると思います。

文章もこれと同じで、荒削りでもいいので、まずはとにかく一気に書き進めてください。細かい言い回しや接続詞は後で整えればいいのです。まずは作成したプロットに沿ってストーリーをつなぐことを優先して考えてください。登山ルートでいえば出発点から頂上までまずは道を通してしまうのです。細かい分岐に気を取られていると、大きなルートを見失います。まずは勢いのまま、ルートをつなげてください。

3.文字数を守る

これは文章を書くことに慣れてきたらそこまで意識しなくてもいいのですが、最初は自分がプロットの段階で決めた、バランスがいいと思われる文字数を守って書いてみてください。書いていく中で内容が足りない、書きたいことが多すぎるなどいろいろ出てくるでしょうが、まずは自分で決めた文字数を守ってみることをおすすめします。

内容が薄ければ追加取材やリサーチを行う、多すぎる場合には要約する、削るなどして文字数に合わせる練習をしてみてください。そうすることで、プロットの時点で割り当てる文字数の精度が上がっていきます。

4.別の話題を思いついた場合には別のコンテンツとする

文章を書いている際に起こりやすいのが「話を広げすぎて収集がつかない」という状況です。プロットを練り上げた状態ではこれが起こることも少ないですが、人間の脳というのは不思議なもので、活性化するとあれこれ関連する記憶が呼び覚まされたり、新たなアイデアが浮かんだりするものです。

しかし、そこで浮かんだアイデアをどんどんと文章に盛り込んでいっては迷宮入り確定です。それではプロットを作った意味がありません。しかし、そのアイデアも捨て置けない……。そんなときはそれを別のコンテンツとして次のネタにしてしまいましょう。あくまで本線は脱線せずプロットに沿って進め、新たな文章のネタとしてキープしておくようにしましょう。

どうしてもその文章に入れ込まなければいけない時は、よほど文章を書くのに慣れていない限り、プロットに戻って練り直すことをおすすめします。

5.まとめで新しい情報を出さない

これは小論文の講座などでもよく言われることだとは思いますが、まとめ部分に新しい情報を入れてはいけません。「まとめ」はあくまで「まとめ」です。既出の情報を分かりやすくまとめるものです。ここで新たな情報を入れてしまうと読者は混乱しますし、文章としてもまとまりがなくなってしまいます。文章も最後ということで筆が乗っている状態だと「そうそう、これもあった」と新たな情報を入れがちですが、それはやめましょう。

プロットと文字数さえ守れば文章はでき上がる!

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文章を書き始める時点で練り上がったプロットがあれば、あとはそれに沿って文字数を守りながら書いていくだけです。書いている途中でアイデアが湧いてもそれは別の話題と割り切り、とにかく最初の流れに沿って書き進めましょう。そうすることで「文章を書いている途中で迷子になってしまう」という自体は避けられるはずです。

本文が出来上がれば、次は文章のブラッシュアップです。これについては別記事プロライターが教えるライティングのコツ③「推敲編」でお伝えします。

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ABOUTこの記事をかいた人

神奈川県出身。慶應義塾大学文学部卒業。地域情報誌や外資系Webメディアの編集者を経て、2015年にシンガポールに渡星。現地でビジネス系メディアの編集に携わる。その後ニュージーランド、ベトナムなどを転々としながら、フリーライターとしてモノづくり系メディア、旅行メディアを中心に執筆中。