30代から50代のビジネスパーソンにとって能力開発は今後ますます重要になります。過去には別記事「社会人の能力開発の方向性を考える2つの視点」において、社会人の能力開発を考えた場合に「何を学ぶのか」という視点はとても重要であるというお話をしました。
今回はこれに関連し、能力開発の方向性を決める上で役立つ「Will」「Can」「Need」という3つの領域で考える自己分析の手法をご紹介します。
「Will」「Can」「Do」の自己分析ワークショップとは
これは簡単に言うと、自身のアイデアを「やりたいこと(Will)」と「社会が求めていること(Need)」と「自分ができること(Can)」のどの領域にあるのかを意識して考えるフレームワークです。具体的には下図のようになります。

例えば、新たなビジネスのアイデアについて、それは「自分ができることなのか、やりたいことのか、社会的にニーズがあるのか」という客観的な視点から、表に照らし合わせ分類して整理します。
能力開発はマネタイズできることに注力すべし

能力開発の方向性は様々ですが、誰しもが生活をしなればいけないので、お金を稼げるような能力開発もしなければいけません。その視点でいうとニーズがなければお金を稼ぐことはできません。もちろん「お金を稼ぐのが目的ではない」という姿勢でも構いません。「やりたいし、できる」けれどもニーズがないことも世の中にはたくさんあります。そういうものはボランティアや趣味としてやることに異論はありません。
ただ「能力開発」というからにはお金を稼げるものと、そうじゃないものというのは選別しておいたほうがよいと考えます。そのうえで、どの領域だからやりましょう、やめましょうというのではなく、きちんと分類をしたうえでどれから着手をすべきかを選択するという話です。もちろん、中心のG(上の図表を参照)に入っているものがあれば一番いいですが、人によってはそうとは限りません。Gに入るものがなく、Eしかないという人がいたら、じゃあそれについてどうすればいいかを考えればいいのです。
特にやりたくはないけれけど、自分には能力がありニーズがあるもの(Eの領域)であれば、それは単純にお金を稼ぐ手段として考えましょう。やりたくてニーズもあるけど自分ではできない(Fの領域)ことであれば、できるようになるために能力開発をする価値があります。
やりたいしできるけれどニーズがないもの(Dの領域)であれば、それはボランティアもしくは趣味として、ライフワーク的にやっていけばいいことです。そして、それをやり続けることでニーズが顕在化(外部環境の変化)してGの象限に移るかもしれません。
正直なところ、Aだけ、Bだけ、Cだけというものをそこから発展させていくのは難しいです。逆にGであればやらない理由がありません(笑)。そのため、D、E、Fをどうやって仕事に結びつけていくかというのが考えどころです。Aだけ、Bだけ、Cだけしかないという方は、どうすればD、E、Fにシフトさせられるかをぜひ考えてみてください。
まとめ:
せっかく時間とお金をかけて能力開発をするのであれば、その結果をマネタイズに結びつけたいものです。世の中にニーズがないことを趣味でやる分には構いませんが、それが趣味なのか、実際にお金を稼げるのかを象限に分けて整理することは大事です。
とはいえ、これらのことを1人で考えるのは大変です。私は30代から50代のビジネスパーソンの能力開発を支援する学習コミュニティ「パラレルキャリア研究会」を運営していますが、この度、企業の短命化や人生の長期化などビジネスマンを取り巻くさまざまな環境の変化を鑑み、非会員様に向けても無料のキャリアコンサルティングを実施することにしました。
初回のヒアリングからスタートし、それぞれのご相談者様に応じたワークショップを通じて、ご自身の志向や価値観、強みや弱みなどを明らかにし、中立的な立場から今後のキャリア形成についてアドバイスいたします。このフレームワークを使ったワークショップも行い、一緒に考えて行きたいと思っています。現在のキャリアに不安を抱えている方、今後のキャリアについて考えたい方は、こちらよりお申し込みください。
※無料キャリアコンサルティングの詳細は別記事社会人向け無料キャリアカウンセリングのご案内にて、無料カウンセリングを開始する経緯や私の思いなどについては別記事インタビュー「経験豊富なビジネスパーソンにとってのキャリアカウンセリングの重要性とは」でご覧いただけます。