私達は現在「パラレルキャリア研究会(略称:パラ研)」というオンラインコミュニティを作って活動しています。このコミュニティではデータサイエンスを複業(パラレルキャリア)にするための勉強会を毎週開催しています。
このたび新たなメンバーを募集するにあたり、コミュニティの存在意義や具体的な活動内容について、同研究会を主宰する私と、創設メンバーである岩間大介氏とで「具体的にどのような活動をしているのか」「なぜデータサイエンスを学ぶのか」などを対談形式にてお伝えします。私達の活動を知っていただく一助になれば幸いです。
【参加者】
岩間 大介(いわま だいすけ)
パラレルキャリア研究会創設メンバー。岩手県出身。東北大学工学部卒、同大学院工学研究科修了。半導体メーカーに入社後、エンジニアとして半導体製品の企画・開発に10年以上従事。独学&パラ研の場でPythonや統計学を学習中。1児のパパ。趣味は日本酒、ロードバイク。中小企業診断士。
長島 三氣生(ながしま みきお)
パラレルキャリア研究会主宰者。ビジネスパーソンの能力開発をライフワークとする。早大商卒、欧州MBAホルダー、デジタル戦略コンサルタント。京セラ→Amazonジャパン→外資系スタートアップ→ファーウェイジャパン→独立(起業)。
ビジネスパーソンがデータサイエンスを学ぶ目的(意義)とは
長島:私達は「パラレルキャリア研究会」でデータサイエンスについて学んでいます。このデータサイエンスについては、言葉ではよく聞くものの、具体的にどういうものかをイメージしにくいという声もあります。30代〜50代の人がデータサイエンスという分野を学ぶメリットについて、岩間さんはどう考えますか。
岩間:私は元々「常に何かをインプットしないと、成長が止まる」という危機感を持っていました。データサイエンスに興味を持ち始めたのはPython(パイソン、※1)がきっかけだったのですが、結果としてデータサイエンスの勉強を通じて異なる業界や年齢の人々と繋がりができたことで、客観的に自分のスキルを見つめ直すことができました。「ああ、自分はこれが足りていないな」「このスキルが開発できていないな」という点に気付くことができました。
長島:私も仕事でコンサルティングや勉強会の講師をすることがあるのですが、相手に物事を分かりやすく説明する際にデータは便利です。データサイエンスや統計などが分からない方でも、意思決定の際に自分の意見をサポートする材料として、データは非常に有用であると感じています。多くのビジネスパーソンにはあまり認識されていませんが、データが読め分析できる能力(データリテラシ)は、英語が使える、財務諸表が読め分析できるのと同じぐらいビジネスパーソンに必須の知識になっています。データリテラシは、仕事だけでなく日常生活でも数値を正しく理解するのに役立ちます。汎用性がとても高いスキルです。
岩間:社会人経験とビジネススキルをあわせ持つビジネスパーソンがデータサイエンスを磨くことは、ビジネスパーソンとしての価値を高めることに繋がります。詳しくは30代ビジネスパーソンがデータサイエンスを学ぶべき理由でお話していますが、簡単に言えば、ビジネス上の解決すべき課題が複雑化している現代において、その重要性が高まっている「仮説構築力」と「データ収集・分析力」を備えることになるからです。
(※1)Python(パイソン)
データ分析や機械学習を行うためのプログラミング言語
30代〜50代のビジネスパーソンに能力開発が必要な理由
長島:能力開発というのは学生の時だけではなく、特に30代から50代の社会人にとって非常に大事です。終身雇用が事実上の終焉を迎える今後は、自身の希少性を高めることが重要になります。この年代の方々にはこれまで培ってきた専門性があり、その強みにさらに何かを加えることで、2倍、3倍と掛け算のように自分の希少性を高めることができます。これらの理由から、30代〜50代の人にとって能力開発は必要なのです。特に、「データサイエンス」「英語力」「デジタルリテラシー」「ファイナンシャルリテラシー」は、社会人になってからも学び続ける必要がある分野です。これらの4分野は、汎用性が高く仕事だけでなく生活でもとても役立つ知識が得られます。
パラレルキャリア研究会のデータサイエンスの勉強について
岩間:今年からパラレルキャリア研究会ではデータサイエンス部を発足させましたが、どのようなことを学ぶのですか。
長島:基本的に参加者は自学自習をしてもらい、私がファシリテーターとして、発破をかけるというスタイルで進めています。データサイエンスというのは一人での勉強がなかなか難しく、特に私のような文系の人間は挫折しやすいので、定例会を毎月開催し、何を勉強するのか各人に目標を立ててもらっています。そして、それをそれをTo doリストに落としてもらい、Trello(※2)というアプリを使って私が進捗管理するという取り組みをしています。
自学自習において一番難しいのは、どのようなルートで学びを進めればよいかが分からないという点です。特にデータサイエンスに関してはしっかりとしたカリキュラムがあるものではないので、例えば統計をやりたい、Pythonでプログラミングをやりたいとなった時に、どのような教材があるのかもはっきりしません。それらの点について、定例会などでこれまで勉強をしたことがある人に話を聞いたり、参考書やYouTubeなどを使った学習のルートを共有してもらうといった試みをしています。また毎週水曜日の夜に「もくもく会(※3)」と呼ばれる、Zoomでネットワークをつなぎ各人が無言で作業をする場を設けています。
岩間:もくもく会に対する私の印象は、塾の自習室ですね。別にその日に授業はないけれども、自習室で勉強して友達と喋って帰って、という。そのような印象があるので、非常に気楽でいいと思っています。
(※2)Trello(トレロ)
チーム力を高めるタスク管理ツール。カード型のタスク管理ツールでかんばん方式の本格的チームタスク管理が簡単にできる
(※3)もくもく会
Zoomなどを使い、各自が勉強や作業を自由に黙々と進める会
長島:データサイエンスの自学自習を継続するには、主に3つの課題を克服する必要があります。一つ目は、どのような学習ルートで学べば良いかわからない。データサイエンスの学習範囲はとても広く、人によって得分野と不得意分野があるため、どのような順番で学ぶのが良いか難しいという声がを多く聞きます。
二つ目は、ひとりで学習しているとなかなか継続できないことです。データサイエンスは、理系(プログラミングや数理統計学)と文系(コンサルティング)の両方の知見が必要になるため、躓く分野がでてきます。例えば、文系出身者であれば、プログラミングや数理統計学などの知識を苦手にする方が多い傾向にあります。一方、理系出身者であれば、コンサルティングスキル(課題背景を理解して、ビジネス課題を整理し、解決する力)についてあまり馴染みがなく苦手にする人が多い傾向にあります。苦手分野ではどのように学習してよいのか知見がないため、学習を止めてしまう方を多くみ見てきました。
三つ目は、わからないことを質問できる人がいないということです。特に、リスキングのひとつとしてデータサイエンスを学ぼうとする場合、質問できる人がいないこということが自学自習において課題になります。そこで、パラレルキャリア研究会のメンバーは、LINE公式アカウントを使って、学習ルートの相談やデータサイエンスの関連資格の対象書籍でわからない問題や内容をチャットで質問することができます。質問対応の詳細は、こちらのURLに記載していますのでご覧ください。
パラレルキャリア研究会の展望
岩間:パラレルキャリア研究会は、今年はデータサイエンスにテーマを絞って活動することになりましたが、他にどういった活動が考えられますか。
長島:今はデータサイエンスの勉強をしていますが、この方法は今後いろいろな分野に展開できると思っています。例えば、ビジネス英語を学んだり、プログラミングの勉強をしたり、デジタルマーケティングにおける動画の編集など、いろいろな可能性が考えられます。各人が持っているキャリアの軸にどういったものをかけ合わせればその人の能力や希少性がより高まるのか、という視点で他の分野にも展開したいですね。一番重要なのはデータサイエンスの定例会やもくもく会などを通じて、生活の中で勉強する習慣を確保することです。それさえできるようになれば、いろいろな分野に応用できると思っています
岩間:私も今はデータサイエンスというテーマではつながっていますが、例えば、英語やデジタルテクノロジー、投資や資産運用などにも興味があるので、同じように興味を持つ方々との情報交換などもしたいと思っています。
パラレルキャリア研究会では、毎月データサイエンスの勉強会をしています。現在、新規会員を募集しています。私達と一緒にデータサイエンスを学んでみたいと思う方、能力開発に興味のある方は、お気軽にこちらからご連絡ください。