30代から50代のビジネスパーソンが英語を学ぶべき理由

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第4次産業革命で活躍する次世代ビジネスパーソンにとって、ビジネス英語が必要なスキルだという点については、次世代ビジネスパーソンに必須となる8つのポータブルスキルでご紹介しました。では実際のところ、ビジネスパーソンが英語を学ぶことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は、30代から50代のビジネスパーソンが英語を学ぶ必要性について、ミクロ・マクロ両方の視点から掘り下げます。

ミクロな視点で考える「英語を学ぶメリット」


1:ネイティブスピーカー相手に知的印象が2段階UPする

まずお伝えしたいのが、ネイティブスピーカーが英語を聞いた際に、相手の英語力によって知的な印象が変わるということです。例えば、タレントのボビー・オロゴン氏を例に考えてみましょう。本当のところ、彼は日本語を話せるのかもしれませんが、少なくともキャラクター上では片言の日本語を話しています。一方で、YouTubeで活躍されているサマー先生という英語の先生は、非常に流暢な日本語を話します。この2者が同じ内容の話をしても、受け取る印象がだいぶ異なるのは想像に難くありません。言葉をどう使うかによって、相手が持つ印象は全く変わってしまうのです。

2:英語での読み書きにおける負担が減り時短が叶う

英語ができるようになってくると、英語でメールを読んだり書いたり、またデスクトップリサーチで英語の情報に触れる際にGoogle翻訳を使う必要がなくなります。そのため、英語ができるようになればなるほど、英語の読み書きを負担と感じなくなります。また、ほとんどの業界において最新情報は英語で発信されるので、英語ができるだけでその情報にいち早くリーチできます。私も最新情報を拾う際にGoogle翻訳を参照することもありますが、訳のデータがまだ蓄積されておらず、あまり参考にならないことも多いです。

3:インシデントラーニングで知的好奇心が刺激される

インシデントラーニング(Incident learning)というのは、偶然の学びを指します。英語が上達すると、ある英文を見て「この単語ってこのような使われ方もするんだ」など、知識が枝葉のように広がっていき、英語を学習すること自体が楽しくなっていきます。「この単語って名詞じゃなくて動詞でも使うんだ」「こういう単語の組み合わせで使うこともあるんだ」など、知的好奇心が刺激される面白さを味わえます。この段階になると、自学自習で生きた英語力が持続的に向上していきます。

4:子どもの英語教育にも役立つ

自身の英語スキルアップは子どもの英語教育においても大きなメリットになります。2020年より小学校での英語教育が必修化されたことにより、現在は3年生から外国語活動が開始され、5年生からは英語が科目として追加されました。一方で、TOEICやTOEFLのスコアを見る限り、残念ながら現時点で日本人の英語スキルは低い状態です。日本の教育を受けて英語ができるようになるのであればそれに越したことはありませんが、現状ではそういった教育が受けられません。いくら小学校から英語を学び始め、その後も英語を勉強し続けたところで、子どもが英語を話せるようにはならないのです。そのため、親が積極的に英語を学び教えていく必要があります。英語ができる親は子どもに英語学習についてアドバイスできるというメリットがあるのです。

5:2割程度しか通じないカタカナ英語から脱却できる

日本人同士ではネイティブ英語の発音よりも、カタカナ英語の方が通じやすく場の空気に馴染めるという風潮があります。しかし、日本語が話せる外国人にはカタカナ英語でも通じますが、英語しか話せない外国人にカタカナ英語を話しても、2割程度しか通じません。日本語を話せない外国人にも聞き取れるような発音ができれば、コミュニケーションの質は大幅に向上し、相手との距離感が縮まります。

以上が短期的なメリットになります。では次に、マクロな視点でも見ていきましょう。

マクロな視点で考える「英語を学ぶメリット」


1:10倍の情報格差を埋められる

日本語と英語を比べた場合に、手に入る情報の格差が10倍以上あると言われています。前述のとおり最新情報は英語で発信されるので、Google翻訳があったとしても、日本語しか分からない状態では最新情報はなかなか手に入りません。特に経営、マーケティング、財務、会計、IT、経済といったビジネスの領域はどれも日本発ではなく外国の考え方を輸入したものなので、その差は顕著です。

2:外国企業で専門性を発揮することによる収入格差

長期的に見ると、英語スキルの有無によって収入にも差が出てきます。専門分野を持っていない場合にはあまり意味はありませんが、自身に専門とする分野があり、かつそれを英語でもできるといった場合には市場価値が高まり、階層が上に行けば行くほど、専門性が高ければ高いほど収入の格差が顕著になります。

3:働き方の選択肢が広がる

英語ができることで、外資系企業で働くチャンスが手に入ります。日本企業に比べて外資系企業に所属する方が、自身の希少性が高まります。さらに、外国で就労できるほどの英語力を身につければ、日本担当やアジア担当に就くなど日本人であることの強みも発揮できます。シンガポールの外国企業で働く友人は、技術者でありながら日本人ということで日本出張を任されると言っていました。日本人というだけで、相手企業からもありがたく思ってもらえるという話です。外国企業に就労すれば、日本人であるというだけでそれが強みになります。

4:生き方の選択肢が広がる(コップの中の世界から飛び出す)

英語を学び外の世界を知ることで、日本で働くことを狭い「コップの中の世界」と相対的に捉えられるようになります。そして、外の世界に飛び出せるという可能性をも手にすることができるのです。その後に再びコップの中の世界に戻ったとしても、外の世界を知っているためストレスの感じ方も異なり、生きやすくなるように思います。さらには、人口の減少に伴う少子高齢化が進み、経済もピークを過ぎてしまっている日本でしか生きていけないことは今後リスクになり得ます。そのような中で、英語ができれば第2の人生を海外で送るという選択肢を選ぶこともできます。英語を学ぶメリットは仕事だけに限ったことではないのです。私も、英語を学ぶ一番の面白さはここにあると思っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。