社会人の自学学習を習慣化するお助けツール

社会人の自学学習を習慣化するお助けツールのアイキャッチです

これからの時代に活躍する30代から50代のビジネスパーソンにとって、自身の能力の向上を図る「能力開発」が大切であるという点については「ビジネスパーソンの能力開発を阻む3つの壁」でご説明しました。これまで積み上げてきた専門性に新たな能力を掛け合わせることで、自身の強みを2倍、3倍と増幅でき、希少性を高められるのです。

そんな社会人の能力開発と切っても切れないのが自学学習です。しかしながらこれまで、「今年は英語を勉強するぞ」「新しい資格取得に挑戦しよう」と思っても、日々の仕事や他の物事に追われてなかなか勉強を継続できなかったという方は少なくないと思います。そこで、今回は社会人の自主学習の「習慣化」に焦点を宛て、意識するべき3つのポイントと役立つツールについてお伝えします。

社会人が自主学習で陥りがちな3つの落とし穴

社会人が自主学習を習慣化できない理由は、大きく3つあります。

①勉強時間を継続して確保できない
②学習ルートが分からず挫折してしまう
③分からない点を聞く相手がいない

これらの要因が複合的に絡み合って、結局は「自学学習が続かない」という状態になってしまうのです。これら3つの問題を解決するためには、ツールを活用するのが効果的です。世の中にはハードウェア(ガジェット)、ソフトウェア(アプリ、学習教材)を問わずさまざまなツールがありますが、まずはこの3点を解決するためにツールを活用するという意識を持ちましょう。もちろん、何を勉強するかという勉強の対象によっても選択肢は変わりますが、今回は汎用性が高いものを紹介します。

①勉強時間を継続して確保できない
→スケジュール管理アプリを使う!

勉強が続かない大きな原因として、そもそも自分のスケジュールを管理できていないという場合も多々あります。その場合には、まずはスケジュール管理アプリを使って1週間の時間割を作成し、先に勉強時間を確保してしまいましょう。

私のおすすめは「すごい時間割 – 大学生の時間割アプリ」というアプリです。本来は学生向けに設計されているものですが、社会人の自学学習でも大いに使えます。このツールを使って「英語の勉強を月曜の21時から2時間やる」というように、学習の予定を予めスケジュールに落とし込んでしまうのです。通知機能もあるので、設定した時間が近づくと通知してくれます。スケジュールに落とし込むのはGoogleカレンダーなどを使ってもいいですが、いずれにせよリマインド機能は重要です。

このツールだけで問題が解決するというのであればそれに越したことはないのですが、残念ながらこれだけではなかなか難しいです。むしろ、これだけで問題が解決するのであれば、元々放っておいても独学ができる方です。

私を含め、大半の人にとってはそうでないので、その場合には他に勉強仲間を作って一緒に勉強することをおすすめします。複数人が集まって各自が「黙々」と作業をする「もくもく会」などに参加するのもいいでしょう。最近ではビデオチャットサービス「Zoom」を使った「もくもく会」も多数存在します。これらに参加して、強制的に勉強をする時間を確保してしまうのがおすすめです。人と決まった時間に勉強する約束をすることで、より強い拘束力が生まれます。

しかし、それでもなお勉強する時間が確保できないという人は、お金を払ってスクールで講座を受講しましょう。「お金を払う」ことと「勉強仲間がいる」というダブルの拘束力は絶大です。オンラインでもオフラインでも構いませんが、ご自身により強制力がある方を選びましょう。私もTACで講師をしていますが、勉強の習慣をつけるために、わざわざ受講しているという生徒さんもいます。

②学習ルートが分からず挫折してしまう
→勉強仲間を作り、情報交換をする!

自学学習を始めようと思い立った場合、本屋に行けばたくさんの参考書がありますし、インターネット上には動画を含めさまざまな教材が手に入ります。そういう意味では、自学学習のハードルは以前よりも下がったと言えるのですが、一方で、どのように勉強をすれば効率がいいのか、学習効果が高まる教材はどれかなど「学習ルート」に関しては初心者ではわかり得ないこともあります。そのため、同じ勉強をしている仲間から情報を得るのが効率的です。

「Studyplus(スタディプラス)」というアプリにはさまざまな分野の学習者が集まっており、タイムラインの「達成目標」では、同じ目標を持った勉強仲間と勉強記録や学習教材をシェアし合うことができます。ユーザー同士が勉強記録にコメントや「良いね」ができるなど、相互に切磋琢磨できる環境が整えられています。その他、自身の勉強時間や勉強量(ページ)で、教材別に勉強内容を記録できるなど、自分の学習内容を可視化できたりもします。

さらに一歩踏み込んで、すでに学習を終えた人やその道のプロフェッショナルから勉強法などの知識を得るという方法もあります。例えば、「MENTA(メンタ)」という「教える人」と「学びたい人」をオンラインでマッチングするメンタリングサービスでは、月額数千円からプログラミングなどのメンターをつけて学ぶことができます。同様のサービスとして「ストアカ」というサービスもあります。

③分からない点を聞く相手がいない
→質問できる人を確保する!

こちらも②に通じる点ではありますが、勉強中に不明点があった場合に、独学だとどうしてもそこで勉強がストップしがちです。インターネットで調べるという手もありますが、インターネットでも調べられないタイプの疑問もあります。そういった場合には前述の「MENTA(メンタ)」や「ストアカ」を使って、その道の習熟者に分からない部分を聞いてしまうことをおすすめします。自分の疑問点をぶつけられる相手を確保しておくことで自学学習が格段にはかどり、つまづいて時間を無駄にすることがなくなります。

まとめ:

30代から50代のビジネスパーソンの希少価値を高める能力開発。そのためには日々の学習が必要です。「勉強時間を確保できない」という理由で挫折した経験があるならば、今回お伝えした3つのポイントのうち、どこでつまづいたのかをきちんと分析し、それを解消するツールや仕組みをつくることをおすすめします。

私たちは30代〜50代のビジネスパーソンの能力開発をテーマに、「パラレルキャリア研究会」というコミュニティーを立ち上げ、共感しあえる仲間と興味あるテーマを学ぶ場を提供しています。現在、新規メンバーを募集しており、活動内容等につきましてはパラレルキャリア研究会(パラ研)新規メンバー募集のご案内でご紹介していますので、そちらをご覧ください。こちらのページからのお問い合わせも大歓迎です。キャリアアップのための能力開発に興味のある方のご参加をお待ちしています。

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ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。