今後は「会社員」一筋では通じない! 4つの働き方をシフトする生き方を考える

今後は「会社員」一筋では通じない! 4つの働き方をシフトする生き方を考えるのアイキャッチ画像です

少しずつ働き方が多様化してきた現代の日本。私が就職した頃は問答無用で会社員というコースが圧倒的に多く、たまに起業する人がいる程度でしたが、終身雇用制度が実質的に破綻している現在では副業も以前より許容され、働き方の選択肢も広がってきました。

働き方が多様化する今後は、自分にとってどな働き方がよいのかを考えなければなりません。今回は、社会における4つの働き方の違いや選び方、メリットとデメリットについてお話しします。

現代社会における4つの働き方とは

今後は「会社員」一筋では通じない! 4つの働き方をシフトする生き方を考えるの写真です

私は働き方はその特性から「会社員」「起業家」「個人事業主」「フリーランス」の4つに分類できると考えます。それぞれの定義は以下のとおりです。

①会社員:会社に雇われ、働いている人。一般的にはパートやアルバイト、契約社員や派遣社員などの非正規雇用を含めず、正規雇用の方を指します。
②起業家:自ら事業を興し、法人を設立し運営しているオーナー経営者。
③個人事業主:法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人。フリーランスとの違いは、個人事業主は宮大工や寿司職人などの職人や、弁護士や社労士などの士業の人といった、極めて限定された分野の専門家であるという点です。そのため、B2Cの仕事が多いイメージです。
④フリーランス:
Webデザイナーやプログラマー、ライターなど会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約する人であり、会社の仕事を業務委託契約のような形で代行している人です。もちろん、全てがこの限りではないと思いますが、個人事業主と比べるとB2Bが多いのではないかと思います。

これらの4つの働き方はどれがいい悪いではなく、ご自身の適性や年齢、ライフサイクル、社会的受容といったファクターによって評価が変わります。

2軸のマトリックスで4つの働き方の特性を考える

これまでさまざまな方と接してきた中で、これら4つの働き方を考える際の大きな軸が2つあることに思い至りました。それは「ワークライフバランス」と「安定性」です。

 

今後は「会社員」一筋では通じない! 4つの働き方をシフトする生き方を考えるの図です

「ワークライフバランス」は、仕事と生活の割合の話です。仕事と普通の生活を分けたい人もいれば、ワークアズライフで仕事と日常生活をイコールと考えている人もいます。また「安定性」とは収入についての話であり、収入はそこまで高くないけれども長く働ける安定性を重視する人と、安定性はないけれども、うまくいけば高い収入を得られる「ハイリスクハイリターン」の方が好ましい人がいます。

この2軸にこれら4つの働き方を当てはめると下図のようになります。

今後は「会社員」一筋では通じない! 4つの働き方をシフトする生き方を考えるの図です

①会社員

・守られている存在である
・ワークライフバランスがとれている
・社会的信用がある
・不自由である

会社員のいいところは、やはり良くも悪くも守られている存在だというところです。問題を起こしても賠償責任を負わされることはまずなく、また成果を出さなくてもお金が全く払われないということはありません。また、ワークライフバランスもあり、ローンが組めるなどの社会的な信用も高いです。

一方で不自由さというデメリットとがあります。時間的な不自由さもありますし、上司、部下や同僚など一緒に働く人を選べないという不自由さもあります。加えて「こういう仕事をしたい」と思っても、なかなか希望に沿った仕事をさせてもらえないという不自由さもあります。また、お金の面だけを見れば、給料制の会社員が税務面では一番割に合わないといえます。

②起業家

・成長を目指す
・時間と収入の両方を実現
・ハイリスクハイリターン
・自由である

起業家は個人では不可能な事業の成長を目指すことができ、うまくいけば時間と収入という両方の自由を手に入れられるメリットがあります。会社員であれば自分の売り上げの1/3程度しかお給料にならず、割に合いません。一方、企業家であれば自分で給料の額を自分で決められるため、利益を出せば出したぶんだけ収入を手にすることができます。また、経営者であれば他の人に働いてもらい収入を得ることもできます。ただし、成功しないパターンも多くハイリスクハイリターンな職業ではあります。

③個人事業主

・専門性/手に職
・ほどよいリスクとリターン
・参入障壁がある
・スケールしにくい

個人事業主は専門性という参入障壁があるため、時代の流れなどに影響を受けにくいというメリットがあります。安定性は会社員ほどは高くはありませんが、その道を極めてしまえばある程度の収入は見込めます。個人事業主も利益を全て自分のものにはできますが、基本的にあまりスケールしません。個人事業主の働き方は基本的に労働集約型のため、24時間の中で稼げる額が限られてしまうからです。

④フリーランス

・ワークライフバランスがとりやすい
・自由である
・1つの道を極めなくてもよい
・職業人としての寿命は短い

フリーランスは自分で働く時間をコントロールできる分、ワークライフバランスがとりやすい働き方です。実際にこれを重視してる方も多いです。また個人事業主とは異なり、1つの道を極めるような働き方でなく、働き方や業務内容を自分で自由にコントロールする働き方が一般的です。

一方で、職業人としての寿命は短いです。短いとはいえ5年や10年は続けられますが、かといって50代や60代でフリーランスというのは、日本ではあまり馴染みがありません。発注主である会社側も、50代や60代の人に会社の業務を任せるのであれば、専門性が高くないぶん若い人のほうが頼みやすいと考えがちです。この点でいえば、若いからこそできる働き方だとも言えます。

これら4つの仕事について、ご自身の年齢やライフサイクルを考慮しながらどれを選択すべきかを考えるのがいいでしょう。現在、多くの方は会社員からスタートする流れが一般的ではありますが、別記事「45歳定年制」で見えてくる複業(パラレルキャリア)の重要性でもお話ししたように、今後は定年まで会社に居られないケースも予想されます。そのため、50代や60代になる前に成長性のある象限に移らないと、なかなか厳しいのではないかと思います。

「気質」と「能力」についても考えるべき

一方で、「気質」と「能力」という二軸でもそれぞれの職業について考える必要もあります。

「気質」というのは個人の性格の部分であり、人によってそれぞれ違います。例えば自分で物事を決めたい、成長したい、収入を増やしたい、持続性や安定性を求めたい、時間的に余裕が欲しい、責任のある仕事をしたいなどです。別記事社会人向け無料キャリアカウンセリングのご案内の中でドナルド・E・スーパーのキャリア理論について触れましたが、それに近いものです。4種類の働き方においても自分の気質と合う合わないというのはあるので、その感覚も大切にしてください。

また、「能力」というのはご自身の能力が評価されるかどうかです。この4つの働き方ではそれぞれメリットとデメリットが異なりますので、評価されるポイントもそれぞれ異なります。ご自身の自分の能力がどの働き方で評価されるのかという視点も大切です。

それぞれの仕事がどの象限に入るかは人それぞれのため、ご自身で表に当てはめて整理することをおすすめします。一番いいのは自分の気質にも合っていて、能力も発揮できる第二象限の働き方です。一方で、第三象限の仕事というのは完全に我慢料になってしまうので、できれば辞めるべきであると考えます。

4つの仕事をシフトする生き方が許容される時代へ

今後は「会社員」一筋では通じない! 4つの働き方をシフトする生き方を考えるの写真です

これらは年齢やライフサイクルに応じて、ご自身の中でも判断が変わってくるものだとは思いますので、まずはこの軸を自分で持って、その中で自分がどこが心地いいのかを考え、その中から働き方や働く形態を考えてみることをおすすめします。

個人的には、いろいろな立場の働き方を経験しておいたほうが、相手の立場を理解でき、世の中がもう少しうまく回るのではないかと思っています。例えば会社員がフリーランスの人に仕事を依頼する時に、自分にフリーランスの経験があれば相手の立場を理解・尊重できスムーズに仕事が運ぶのではないでしょうか。

そのためには早いうちからさまざまな立場での仕事を経験するべきと考えます。いずれ日本で早期退職が推奨されるようになった場合に「これまで会社員しかやったことがない」という状態ではその後が大変です。そのような未来も踏まえて、可能であれば40代までにフリーランスとして働いてみる、週末起業してみるなど、この4つの働き方を全て経験しておいたほうがいいでしょう。

まとめ:

これら4つの働き方を1つに絞る必要はありませんが、年齢やライフサイクルに応じて適したポートフォリオを形成したり、自分が快適だと思えるように取捨選択をしながら、働き方をシフトしていくことは大事です。

一方で、これらを1人で考えるのもまた難しい面があります。私は30代から50代のビジネスパーソンの能力開発を支援する学習コミュニティ「パラレルキャリア研究会」を運営していますが、この度非会員様に向けても無料のキャリアコンサルティングを実施することにしました。初回のヒアリングからスタートし、それぞれのご相談者様に応じたワークショップを通じて、ご自身の志向や価値観、強みや弱みなどを明らかにし、中立的な立場から今後のキャリア形成についてアドバイスいたします。

現在のキャリアに不安を抱えている方、今後のキャリアについて考えたい方、こちらよりお申し込みください。

※無料キャリアコンサルティングの詳細は別記事社会人向け無料キャリアカウンセリングのご案内にて、無料カウンセリングを開始する経緯や私の思いなどについては別記事インタビュー「経験豊富なビジネスパーソンにとってのキャリアカウンセリングの重要性とは」でご覧いただけます。

[article-banner-2]

ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。