ビジネス英語力を向上させたい社会人が「英文法」を学び直すべき理由

ビジネス英語力を向上させたい社会人が「英文法」を学び直すべき理由のアイキャッチです

次世代のビジネスパーソンにとって、自身の価値を高めるためにビジネス英語が重要なスキルだという点については次世代ビジネスパーソンに必須となる8つのポータブルスキルでお話しました。そして、この英語力が「語彙力」「発音」「文法」の3つで構成されていることは日本人が英語を話せない2つの要因でご説明した通りであり、「語彙力」と「発音」については、おすすめの勉強法についてもお伝えしてきました。

これをやれば飛躍的に伸びる!ビジネス英語勉強法【発音編】
これをやれば飛躍的に伸びる!ビジネス英語勉強法【語彙力編】

今回は3つ目の柱となる「文法」を学ぶ重要性について、改めてお伝えします。

ビジネス英語において文法を学ぶ意義

ビジネス英語力の向上、と聞いて「発音」と「語彙力」についてはピンと来るものの、「文法」を学ぶ必要性についてはあまり感じないという方も多いと思います。「語彙力」については習得した単語の量が英語の理解度やコミュニケーションの円滑さに直結するため、相関関係がわかりやすいでしょう。「発音」も同様に、正確な発音がコミュニケーションの質に関わってくることは明白であり、それゆえ勉強するモチベーションになります。

一方で「文法」に関しては、英語での会話中に文法を意識している方が稀であるように、なかなかその重要性が理解しにくいものです。しかし、意外かもしれませんが、文法は英語力の向上には欠かせないものであり、「書く」「話す」「読む」「聞く」という4技能全てにおいて重要な役割を果たしているのです。

確かに、単語を数多く覚えるなど語彙力を強化するだけでもある程度までは英語力の向上は見込めるでしょう。しかし、英語の「ルール」である文法が分からないまま単語だけを勉強していても、いざ文章を作る際に単語をどう並べればいいのか分かりません。文章を読む際にも、単語の意味は分かれど文章全体の意味を理解することが難しくなります。これらのことから、英語の習得スピードは格段に遅くなります。

私は、英語学習における「語彙力」と「文法」は、スポーツ選手の「腹筋」と「腕立て伏せ」と同じだと思っています。どのようなスポーツをやるにせよ、基礎体力づくりは重要です。筋トレをやらなくてもその競技自体をプレイすることは可能かもしれませんが、ある程度まで達した後はそれ以上の伸び代がなく限界が早く訪れてしまいます。これと同じように、ビジネス英語力を飛躍的に向上させようと思ったら、基礎力である「文法」も同時に強化すべきなのです。

「書く」「話す」に役立つ文法力

「書く」も「話す」も能動的な行為です。この2つを行う際に大前提として5文型、時制など中学校で習う程度の基本的な文法が理解できていないと、英文を作ることができません。文法を知らない状態では英文を書くことも英語を話すこともできず、単語を並べるだけになってしまいます。その状態でも相手にある程度の意味は通じるかもしれませんが、細かなニュアンスを伝えることはまず無理でしょう。自分が伝えたい内容を相手に正確に伝えるためには、やはり文法が必要になるのです。英語を「話す」と「聞く」を比べた場合に「書く」際に求められる文法力が一番ハードルが高く、より厳密な文法力が求められます。

英語を「話す」場面においては、文法はそこまで意識しません。しかし、例えば「willかbe going toか」「mustかhave toか」「過去形か現在完了形か」など、似たような表現がある際に自分の伝えたい内容をより正確に伝えるにはどちらを使えばよいのかを判断する際に、文法の知識は必要になります。

「読む」「聞く」に役立つ文法力

前述の「書く」「話す」が能動的な行為だとするならば、「読む」「聞く」は受動的な行為です。「読む」場合には動詞の形から主語を推察するなど、文章の内容を正しく理解するために役立ちます。「読む」の場合は文章があらかじめ文字で提示されているため、ある程度自分のペースで進めることができ、また日本の英語教育が世界で通用しないワケでお話した通り、日本の英語教育のほとんどがリーディング中心であり、私達は義務教育や受験勉強を通じて嫌というほど英文法を勉強しているため、そこまで問題はないと思います。

一方、「聞く」はほぼ相手のペースで進むコミュニケーションであり、音を聞き取る「リスニング力」に加えて内容を理解する力も必要となります。この内容理解に「文法」が大きく関わってくるのです。これをやれば飛躍的に伸びる!ビジネス英語勉強法【発音編】でも触れましましたが、下の例文をご覧ください。

これをやれば飛躍的に伸びる!ビジネス英語勉強法【発音編】の図です

こちらの英文では、下線部はほぼ発音されません。英語では大切でない部分や前置詞など会話内容に関係のない部分は弱く、もしくは発音されず省かれてしまいます。これが英語は書かれている文章と読まれている音声に違いがある、ということであり、この両者の差を埋めるのが文法の知識なのです。それゆえこの意味が取れないと、例えば話し相手が激しているときに、こちらに対して怒っているのか、ただ自身の意見を感情豊かに述べているだけなのか、ニュアンスを測りかねることもあります。その結果として会話が円滑に進まず、歯がゆい思いをすることにつながるのです。

まとめ:

試験や受験勉強を控えている学生とは異なり、大人になってからは英文法を学ぶモチベーションがないという方も多いでしょう。しかし、文法こそが語彙力と並んで英語力の基礎であり、ビジネス英語を向上させたい社会人こそ取り組むべきものなのです。また、文法や発音は押さえておくべき知識(ルール)に限りがあるため、無限に続く語彙力の習得ほど時間がかならないというメリットもあります。

私達は30代から50代のビジネスパーソンに向けて、パラレルキャリア研究会というコミュニティーを運営しています。当研究会ではビジネス英語もパラレルキャリア開発の対象として、互いに能力を高め合う場を提供しています。英語は生き方も変えてくれますし、他の学習テーマとは違う独特な魅力があります。

現在は新規会員も募集中ですので、私達と一緒に学んでみたいという意欲のある方、ビジネス英語の向上やパラレルキャリアに少しでも興味がある方は、お気軽にこちらからお問い合わせください。

[article-banner-2]

ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。