ビジネスの現場におけるデータサイエンスのメリット「Web系エンジニア編」

ビジネスの現場におけるデータサイエンスのメリット「Web系エンジニア/システムエンジニア(プログラマ)編」のアイキャッチです

文系ビジネスパーソンこそ統計学を学ぶべき理由の中で、統計学はビジネスに精通した文系ビジネスパーソンにとって相乗効果が高い学問であると述べました。ビジネスの知識と統計学の知識を両方備えている文系ビジネスパーソンは即戦力としての価値が高く、現在ではインターネット企業を中心に需要が高まっています。

この流れを受けて、今後は様々な分野でデータサイエンスが活用されていくことになります。これまで、「マーケティング」「経営コンサルタント」の現場におけるデータサイエンスのメリットをお話しましたが、今回は「Web系エンジニア」の分野でのデータサイエンスのメリットについてお話します。

AIプロダクトの運用と開発が可能になる

ビジネスの現場におけるデータサイエンスのメリット「Web系エンジニア/システムエンジニア(プログラマ)編」の写真です

Web系エンジニアがデータサイエンスを身につけることで得られる大きなメリットは、BIやAIを搭載したアプリケーションやWebサービスの開発ができるようになることです。この分野の方々はもともと仕事上でシステム運用なども行っていることから、データサイエンスを身につけることにより、AIプロダクトの開発とシステム運用の両方が可能になります。

AIエンジンの開発とシステムの運用ができるエンジニアは「MLOpsエンジニア」と呼ばれ、より効率的にPDCAを回せるため会社にとって希少性の高い人材となります。実際のところ、AIエンジンを組み込んだアプリケーションやWebサービスは一度作って終わりではなく、顧客や消費者のニーズ、コロナ禍の発生に代表されるような外部の環境の変化に合わせて常にアップデート(最適化)していかなければいけません。1度構築しても外部環境の変化によってすぐに使えなくなってしまうため、開発から運用までを一気通貫で任せられる人材は価値が高まるのです。

一方で、AIエンジンの開発に特化している機械学習エンジニアは、システム全体の運用ができません。それゆえ、AIエンジンが組み込まれたアプリケーションやWebサービスのPDCAを回すことができないため、サービス全体の機能性を高めることができません。このことを考えれば、Web系エンジニアがデータサイエンスを身につけるメリットが大きいことがお分かりいただけると思います。MLOpsエンジニアは希少のため報酬は非常に高額で、アメリカなどでは新卒でも年俸2千万円から3千万円が相場となっています。

高まるMLOpsエンジニアの必要性

ビジネスの現場におけるデータサイエンスのメリット「Web系エンジニア/システムエンジニア(プログラマ)編」の写真です

現代において、AIエンジンが搭載されていないソフトウェアやシステムはほぼありません。そのため、ソーシャルメディアであれ会計ソフトであれ、商品の売りとなる機能はAIエンジンにかかっています。AIエンジンの精度の高さが他社との差別化要因となるため、その精度をより高めるために、AIプロダクトの開発からWebサービスの運用までができるエンジニアが必要になるのです。

AIの世界は日進月歩ですぐに賢いものが登場するため、頻繁にアップデートしなければすぐに陳腐化し、他社製品との競争優位性がなくなってしまいます。これらの事情を踏まえると、AIエンジンの最適化を外部のエンジニアに依頼するようでは運用が難しくなるでしょう。Webシステムの更新頻度はそこまで高くはなく、半年に一度程度で済むため社外のITベンダーに依頼してもそれほど問題はありませんでしたが、AIエンジンの最適化はそうはいきません。社内にきちんとAIエンジンの開発とシステムの運用を任せられるエンジニアを確保して、毎日の運用やアップデートを任せられる状態が望ましいです。そのため、IT企業に限らず、トヨタやパナソニック、セブンアイホールディング、星野リゾート、ファーストリテーリングといった事業会社でもMLOpsが担える人材を積極的に採用しています。

データサイエンスはエンジニアの希少価値を高める

ビジネスの現場におけるデータサイエンスのメリット「Web系エンジニア/システムエンジニア(プログラマ)編」の写真です

一般的に、Web系エンジニアになるのはそこまで難しいことではありません。高度な数学の知識は必要なく、参入障壁の低い職業でもあります。一方で、データサイエンティストに関してはデータサイエンティストに必要な3つの力でもお話したように大学レベルの数学の知識が必要になることから、参入障壁が高いといえます。加えて、現在はデータに基づいた提案や予測モデルが構築できるデータサイエンティストへのニーズが高まっています。データサイエンスの知識とスキルを身につけることで、成長見込みが高い業界や職種へのキャリアアップが叶うのです。

また、Web系エンジニアがデータサイエンスの知識を身につけることで、エンジニアでありつつコンサルタントやマーケティングサイエンスの分野に行くという選択肢も増え、職種の変更もしやすくなります。IT分野には、言語の障壁がないので、AIエンジンの開発と運用ができれば、海外でよりよい待遇での就職や転職の道も開けます。

まとめ:

これからの時代、精度の高い予測ができるAIエンジンやBIツールを作れるかどうかがエンジニアとしての人材価値に大きな差を生みます。単に今手元にあるデータを集計するアプリケーションだけを作れるのか、それにAIエンジンを組み込んだAIプロダクトが開発できるのかによって、顧客に提供できるユーザエクスペリエンスが変わってくるのです。Web系エンジニアがデータサイエンスの知識を身につけることは、ご自身のキャリアアップや希少価値の向上に大きく資することになります。

その他の分野におけるデータサイエンスのメリットついてはこちら
・マーケティングサイエンス編
・経営コンサルタント編

ABOUTこの記事をかいた人

30代から50代のビジネスパーソンの能力開発を支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。