ビジネスパーソンのブランディングにお勧めするオウンドメディア活用術

日本的経営の三種の神器といわれていた「終身雇用」「年功序列制」「企業別組合」に象徴された時代は、会社中心の働き方でした。それから20年以上を経て、現在は個人が主体の時代に向かっています。個人が主体の時代では、会社を変わっても通用する専門性やポータブルスキルの習得が大切です。また、単に専門性やスキルを習得するだけでなく、それらを外部の人に認知してもらう個人ブランディングが今後ますます重要になります。

アウトプットすることで専門家としての知見と深める

あなたが自己研鑽に投資をして得た知見は、現在の仕事で十分に活用できているでしょうか。仕事で参加した社外セミナーや社内研修、仕事関係者から得た業界動向や最新トレンド、通勤時間や昼休みにチェックしているニュースや書籍から得た知識など、あなたも毎日多くの情報を得ていると思います。情報のインプットに比べ、アウトプットする機会が同じくらいあるかというと、コンサルタントや編集記者などの一部の職種の人を除けば、圧倒的にアウトプットの機会が少ない人が多いのではないでしょうか。

アウトプットすることで専門分野の知見が深めることができます。特に新しい知見を得たときは、その内容や活用方法をブログやソーシャルメディアで積極的に発信することで頭の整理ができますし、読者はあなたがその分野の専門家であると認識するでしょう。またデジタルメディアを利用すると、発信した情報に対して批判やより深い知見が得られたりします。同じ分野に興味を持っている人が集まり、交流を持つきっかけになります。

Facebookやツイッターなどに個人名で書き込むことに抵抗感がある人は、ブログを開設することをお勧めします。ブログにひも付いたソーシャルメディアのビジネスアカウントを作れば、個人と専門家(ビジネス)で投稿を分けて運用することができます。ただし、ブログやソーシャルメディアに書き込む内容は、守秘義務に抵触していないか、その記事を読んだときにどのような批判を受けそうかであるかを事前に想定してから配信するようにしましょう。

初心者でも簡単にブログが作成できるオウンドメディア作成ツール

「アメーバーブログ」や「はてなブログ」などのブログプラットフォーム、もう少し手の込んだコンテンツを作りたければWordPress(ワードプレス)などのCMS(コンテンツマネージメントシステム)を使えば、ほぼ無料でブログメディアを作ることができます。今までにブログをやったことがある人は、よりレイアウトの自由度が高いワードプレスなどで個人の専門性をブランディングしてはどうでしょうか。「さくらインターネット」や「ロリポップ」などのレンタルサーバー費と独自ドメインを取得する費用が年間で数千円発生する程度です。ブログを定期的に更新していれば、Googleアドセンスなどの広告収入で運用コストは十分賄うことができます。

ワードプレスの使い方は、大量のハウツー本が書籍コーナーで販売されています。また、最近はオンライン動画学習サービスが充実しており、ワードプレスの基本的な使い方を配信しています。大手動画学習サービスの「Udemy」では、数千円程度)で受講できるキャンペーンを展開していたりするのでチェックしてみましょう。

ワードプレスを使うことのメリットは、さまざまな機能拡張ができることです。例えば、Googleアナリティクスのプラグイン(機能拡張)を行えば、どの記事がどれくらい読まれているのか、その人たちはどこから流入してきたのかなどが分かります。これらの統計データを参考に人気のテーマを分析することで、ブログのネタ出しに活用できます。

コンテンツマーケティングの心得

ブログ記事を作成するときは、どのような人が自分の記事を読みたいと思うのか読者を考えることから始めましょう。例えば、MBAジャーニーの想定読者は下のような人物(ペルソナ)です。このような人物を想定するのが難しければ、自分の知り合いなどを読者に想定してみましょう。想定した読者が、いつどのような目的でこの記事を読むのかを意識することで、読者の課題を解決するブログ記事が作成できます。

ペルソナのイメージ

また、想定読者は定期的に見直すようにしましょう。Googleアナリティクスを活用して人気がある記事が、あなたのブログメディアの読者層になります。これらの読者はどのような目的であなたのブログを読んでいるのかを考えれば、読者のより具体的な人物像が見えてきます。「アメーバーブログ」や「はてなブログ」などのブログプラットフォームでは、ここまでの分析は行いづらいため、ワードプレスなどのCMSを使うメリットがペルソナの活用にあります。

記事の基本構成

ブログ記事の基本構成は、最初にアイキャッチ画像とタイトルが必要です。アイキャッチ画像やタイトルは、記事を書き終えてから、再度これでよいか確認するようにしましょう。書き終えてみると、最初のタイトルやアイキャッチ画像よりも適切なものが見つかることがよくあります。アイキャッチ画像とタイトルは、読者がその記事を読んでみようかという興味づけになりますので、最も重要な要素です。

ブログタイトルのイメージ

「アイキャッチ画像」と「タイトル」の後には、本文を読み進めてもらうために読者の心をつかむリード文を書くのが一般的です。その後から、各段落に小見出しを付けて本文を記載します。最近はリード文の後に各本文の小見出しを目次化して、最初に記事の主な内容を提示することで離脱率を下げようと工夫しているブログも多くあります。本文を全て書き終えたら、最後にまとめを書くことで伝えたい要点をまとめましょう。

小見出しのイメージ

まとめ:

終身雇用を前提とした会社主体のキャリア開発が期待できないこれからの時代には、個人のキャリアは自分で作ることが前提になります。どのような専門性を身につけるかは大切な論点ですが、それ以上に個人の専門性を外部に発信することが重要です。リアルな交流に加え、ブログやソーシャルメディアで自分の専門性を発信することで個人のブランディングを図ってみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。