あなたのファイナンシャルリテラシーが高まる8つのポイント

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これからの日本において活躍する30代から50代のビジネスパーソンに必須となる8つのスキルについては次世代ビジネスパーソンに必須となる8つのポータブルスキルでお話しました。その中で「ファイナンシャルリテラシー」を挙げた理由については、次世代ビジネスパーソンがファイナンシャルリテラシーを高めるべき理由にて説明しています。

これらを踏まえて今回は、次世代ビジネスパーソンのファイナンシャルリテラシーが高まる8つの要素を掘り下げます。

ファイナンシャルリテラシーが高まる8つのポイント

第4次産業革命で活躍する次世代ビジネスパーソンのファイナンシャルリテラシーを高める要素として、下記の8つが挙げられます。

①簿記/財務諸表
②財務分析
③管理会計
④税務申告/確定申告
⑤株式投資
⑥不動産投資
⑦外貨投資/FX
⑧税金/社会保険

ファイナンシャルリテラシー

それぞれについて、詳しくご説明します。

①簿記/財務諸表

簿記と財務諸表をマトリックス表に入れているのは、お金に関する基礎的な知識という意味です。そもそものお話として、簿記や財務諸表が分からないとお金の流れが分かりません。ある費用が損益計算書(PL)に記載するべきものなのか、単にバランスシート(B/S)の項目が増減するだけなのかといった判断がつかないのです。PLやB/Sが分からないと、これから自分がとろうとしている行動が節税につながるのか、単に税金を払う時期を延ばしているだけなのかが理解できないのです。さらに、企業会計と税務の会計との間にはギャップがあり、企業会計だと認められる費用が税務の会計だと認められないこともあります。会社でを切ったところ税務で認められないこともあり得るため、会社の会計と税務の会計を両方知っておくことは大事です。

②財務分析

財務分析とは、企業の現状とありたい姿とのギャップである課題を把握するために、財務諸表を分析、比較、解釈することです。財務諸表分析と呼ばれることもあります。会社の過去の業績や現在の財務状態を知るだけでなく、今後の課題発見や改善策、将来起こりうるリスクへの予防策など、未来志向の戦略策定に役立てることができます。財務諸表から事業モデルや儲けの仕組みを読み取る力は、どの業界であっても通用するポータブルスキルです。詳しくは財務三表は企業の「事業モデル」と「健全性」を読み取るための診断書にてご説明しています。

③管理会計

これは企業会計の一種ですが、さまざまな判断の根拠として活用できます。「このお金を投資した場合のリターンがこの程度だとすると、投資するべきかしないべきか」のような投資判断や、個人事業を営む際に「どのくらい売り上げないと利益が残らないか」といった目算を立てたい場合です。さらには、管理会計が分かると、マネタイズの方法としてサブスクリプションモデルでも成り立つのか、それともお金を最初に一括でもらわないと事業として成り立たないのか、など収益方法を考えるにあたってのシミュレーションも可能になります。このような意味合いでも管理会計は必要であり、①簿記/財務諸表、②財務分析と合わせて、この3つは基本的な知識となります。

④税務申告(法人)/確定申告(個人)

個人か法人かを問わず、税務申告と確定申告の仕組みを知っておくと企業会計および個人の会計と税務の会計の差が分かります。これらの事柄を税理士さんにお任せするという手もありますが、自分で知っておいたほうが色々と策を立てやすく、税金や無駄な経費を使わないことにつながるというメリットもあります。加えて、上記のように節税になるものと単に税金の先送りになるものの見分けがつくようになります。税金の先送りの場合はあまり意味がないので特に着手する必要はありませんが、節税をするのに越したことはありません。これらは自分で決算書を作り、確定申告してみて初めて効果が分かります。フリーランスを目指す方は特にですね。税理士さんに聞いたところで、普通であればわざわざ教えてくれない知識ですので、自分で学ぶ必要があります。個人的には、国民の三大義務である「納税」に関わる確定申告の方法や決算書の作り方などは、義務教育で教えるべきだと思っています。

⑤株式投資/⑥不動産投資/⑦外貨投資/FX

現在は利子の低い銀行に現金を預けておいても、タダで人にお金を貸しているのと同じですので、自分で運用方法を考える必要があります。もちろんそれに伴うリスクもありますが、大きなリスクのない方法で年1%から5%くらいのリターンを得られる投資の方法などもあります。これらは今手元にある現金を増やす、預金を増やすためには知っておくべき知識です。残念ながらこれも学校では教えてくれないので、ほとんどの方にとって銀行に預ける以外の選択肢といえば、金融機関から提案される手数料が高い金融商品になってしまいます。

⑧税金/社会保険

税金には消費税、所得税、住民税、会社だったら法人税、事業税などいろいろな種類があります。それらが何に対してかかる税金なのかを知っておくことは、余分な税金を払わないためにも大切なことです。例えば個人事業主ですと、売上が1000万円を超えなければ消費税は売上に計上できるルールになっています。そういうルールを知っておけば、消費税分は個人事業主にとってはメリットになります。社会保険も同様で、何に対してかかるのか、そしてその計算方法はどうなっているのかなど、法律そのものを知っておいた方がいいです。社労士さんや税理士さんはもちろんご存知でしょうが、ご自身でも身につけておく必要があるものです。

まとめ:

次世代ビジネスパーソンがファイナンシャルリテラシーを高めるべき理由でもお話したとおり、収入として得たお金が現金として手元に残るまでのお金の流れを把握することは非常に大事です。そして、現代では手元のお金をそのまま持っているのではなく、増やしたり、投資したりというアクションが必要になります。そのためにファイナンシャルリテラシーを高める必要があり、今回紹介した8つのポイントで考える必要があります。これらは全て、学校では教えてくれません。会社員であるか起業家であるかに関わらず、積極的に蓄えるべき知識です。

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ABOUTこの記事をかいた人

ビジネスパーソンのリスキングを支援するパラレルキャリア研究会を主宰。 【経歴】 京セラ→アマゾンジャパン→ファーウェイジャパン→外資系スタートアップ→独立(起業)。早大商卒、欧州ESADEビジネススクール経営学修士(MBA)。「デジタル戦略コンサルティング(社外のデジタル戦略参謀)」、「講師業」、「Webアプリ開発」、「データサイエンス」を生業にするパラレルワーカー。